紅凜学園 デートの約束 「普通はそうでしょ?」 「普通は…って…」 確かに普通ならばね…婚約者同士で仲良く夏祭り…そうなるかもしれない。楽しく二人きりで、いちゃいちゃと。 けど…俺たちは普通ではないのですよ。あいにく。 「まぁ、先輩と行かないなら一緒に行こうか」 「姫色ー…」 姫色のお優しい言葉に、俺はとっても感動した。いつもツンツンな姫色だけど、優しいときは優しい。 一匹狼とか、かっこつけてごめんなさい。本当、他に行く人がいないし、姫色と一緒に行きたいんです。姫色じゃなきゃ嫌! 「ちょっと涼、暑いし、邪魔だから」 「えぇ?!直球!」 感極まって抱きついてみたら、すぐに引き剥がされることになった。 今の、一世一代の試みだったのに…!姫色に抱きつくなんて、命の危険にさらされるんだから! 「夏祭り、行きたいんでしょ?仕事、手伝ってよ」 「はぁーい…」 膨大な量の書類を想像して一瞬落胆したが…まだまだ山積みらしい生徒会の仕事を手伝うことを約束して、明日の夏祭りは姫色と行くことになったのだった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |