紅凜学園 何も出ません そして…もっと俺の存在について、疑問を持ったりしてくださいよメイドさんたち! 可愛らしい?!お似合い?!これ全部、ほめ言葉のような気がするんですけど!何…このヨイショされてる感じは…! 「胃に穴があきそう…」 「大丈夫よ」 苦いため息をついて胸の辺りを押さえると、母さんは俺の肩をぽんぽんと叩き宥めた。 なんの根拠があって大丈夫なんだ?!大丈夫なことなんてないんです、今! 「いらっしゃい、二人共」 「遠いところをご苦労様」 中央の階段からから優雅に降りてきたのは、誓治さんと英理さんだ。 うああ、このセレブ大豪邸がどうしてこんなお似合いに…?!前世は王様か神様か!今世だけじゃなくて、長らく染み付いたセレブ加減が伺えますね! 「いいえ、お邪魔してます」 「お邪魔します…」 ご夫妻に初めて会うわけでもないのに、場所が変わるとなんとなく緊張してしまう。 何だかんだで…母さんも違和感なくなじんでるからなぁ、このお屋敷に。さすがお嬢様なだけある。 俺には疎外感という、あまり良くない感情が芽生えました。 [*前へ][次へ#] [戻る] |