紅凜学園 それこそ俺色 嘘をこのまま突き通せば、本当のことを明かそうとしたとき、余計に言いづらくなる。 一生、隠し続けるのは無理だろうから…いっそ黒翼が気づけよとか思ったりしちゃったんですが。この変装、どう見てもイメチェンした真白だからね! 「えぇ。せっかく綺麗な色なんだから」 「…うん」 この色が気に入らないなんてことはないよ。断じて。 母さんとも父さんとも汐とも違うけど、俺の色だから。嫌っても仕方ない。 この色のことでの不便なんて、ほとんどなかったし。 「空牙くんはこれくらいの嘘、怒らないと思うけど」 「…でも、誰だって嘘をつかれるのは嫌だろ」 そう言葉にしてしまえば、少し怖くなってきた。俺は、黒翼に嫌われても仕方ないのだということを思い知らされる。 黒翼が怒ったところを見たことはない…けど。機嫌が悪いのは結構あるな。 …でもね母さん、黒翼が機嫌が悪い時…怖いよ。美形は怒らせるべきじゃないです。迫力が違う。 「…まぁ、涼のしたいようにすればいいわ」 「わ、ちょっと母さんっ!スプレー落ちるから!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |