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紅凜学園
やっぱり好き
 


広さや豪華さに驚くのは、疲れたよ…。1ヶ月分くらいツッコんだ気がするぞ!むこう1ヶ月は、ツッコミできる気がしない!

来月はツッコミなし月間!ボケ放題!



「良く来てくれたね、涼くん」


誓治さんの微笑みも、相変わらずで…こちらの頬まで、自然とゆるんでしまう。美形さは、衰えを知らないな。たった数日で、美形度合いが衰えてたらびっくりだけど。



「はい、もちろんです!俺、お二人の学園だから楽しみにしてたんですよ」


俺がそう言うと、お二人は破顔する。俺のたった一言でこんなにも嬉しそうにしてくれて、俺のどんよりとした気分も軽くなった。なんて癒やし効果のあるご夫婦なんだ。一気に、和やかムードに早変わりした。



「変装とはいい心掛けだね。素の涼くんでは危ない」


心底心配しているように、顔を歪める誓治さん。釣られて、俺の眉にも皺がよる。あ、危ない…とは?

な、何が危ないんですか?猛獣注意?!盗難注意?!事故?!天災?!そんなのは、変装してても、防ぎようがないような気が…!!



「でも、変装をしているってことは…ここでは空牙とは関係ないことにするつもりなのかしら?」

「えっと…そう、です。名字も“貴世(たかせ)”を名乗ろうと…」


英理さんに問われ、おずおずと頷く。貴世…それは、母さんの旧姓だ。

父さんの家の王庄司も、母さんの方の貴世も、実は大きな財閥だったりする。とはいえ、俺は…見ておわかりの通り、ただの庶民だけれど。財閥とかよくわからないし、ステーキとかお寿司とか、毎日食べたりしないし。



「そうなの?いっそ、黒翼姓を名乗るのはどう?」

「え、あ…い、今は、遠慮しておきます。いずれ、ゆくゆくは…ははは…」


頬をひきつらせて渇いた笑いを浮かべ、場をなんとかやり過ごそうとする。曖昧な笑顔の便利さといったら。いろいろなパターンで使いわけられる、俺の必殺技だ。


でも、俺たちって男同士だから籍は入れられない…よな?俺はずっと王庄司姓なんじゃ…?

うーむ…。そんなことを考えても、どうしようもないんだけどな。結婚なんてしないから!深く考えたくないし…どうでもいいか!


 

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