紅凜学園
惚れるに決まってる
屋上庭園…それもこんな規模のものなんて、普通の学校にはありえないからね。学園生活に本来なら対人センサーなんて、必要性がないんだぞっ。
「どうせ涼は、授業に出ても明日のことを考えちゃうでしょ?だったらゆっくり休んだ方がいいよ」
俺の額を小突き、姫色は俺の真後ろにある、木造の小屋の方へ歩き出した。
「…ん、ありがとう」
軽く小突かれた額を撫でながら、俺は振り向かずに、姫色へと返す。
普段はS属性まっしぐらなくせに…何その無駄なほどの優しさ。まさか、ギャップ萌えでも狙ってるのか?
そんなの…普段いじめっ子タイプの美男子が急に優しくなってみろ!惚れるって!きゅんとくるっての!
「…はぁ…」
俺は、近くにあるベンチに腰をおろす。
それにしても、綺麗な庭園だなー…。学園の清掃や花壇とかの管理は業者の人が行ってるみたいだから、ここもそうなんだろうね。
ただ、不思議なのは授業をサボってふらふらしてても、業者の人に遭遇したことがない、ってこと。どこの隠密がやってるんだか…今度ぜひ誓治さんに問いたい。
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