紅凜学園
終わりじゃない
俺が変装を取ったのを確認した姫色は、俺の髪を直しながら、そう言った。
あれ。すっかり寛ぎモードに入ってたよ…違うんですか。まだ先に何かある…ってこと?
小さく笑った姫色は、アンティークもののクローゼットのような扉を開く。
何?お色直し?しなくても、制服、すごく似合ってるから大丈夫!
また姫色に手招きされたので、クローゼットに近づき中を覗いてみた。
すると中は…。
「エ…レベーター…?」
金色に輝く装飾を施されたそれを見て、俺は口を開けてぽかーんとするしか出来ない。
もちろん我が家にはそんな設備はなかったが、デパートや友達の住むマンションに遊びに行った時に乗ったことはある…エレベーターが、そこにあったのだ。
えーっ、クローゼットの中にエレベーター…?うわぁ、とんだカラクリ屋敷ですね!これで君も忍者になれる!
「そう。乗って?」
「う、うん…」
煌めく、エレベーターinクローゼットに姫色と一緒に乗り込んだ。
それにしても…おかしくない?姫色しか入れない部屋に、カラクリとか要る?
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