紅凜学園 怒ってる? 「すーず、起きてー。朝だよ。起きないと怒るよー?」 ベッドの中、汐と花畑で遊んでいる夢を見ている俺を起こそうとする声。もちろんそれは、同室者である姫色のもの。 姫色は外見のみならず声まで綺麗だけれど、その内容は俺を震えあがらせるようなもので…。 うあああ…!一気に夢の世界からこんにちはしたよ!姫色に怒られたら…逆に、一生の眠りについちゃう可能性すらある! 「お、おはよう…」 眠い目をこすりながら、ゆっくりと起き上がる。うあー…眠い…。でも、姫色に起こされたら、二度寝なんてマネは…。自殺行為だよね。 「おはよう。もう10時だけど」 「学校、サボるんだっけ…」 昨日のことを、反芻してみる。なんだかわからないうちに、姫色のために予定を空ける、ってことになったんだった。嫌な予感がしなくもないけど、これはデートのお誘いなんだと、好意的に解釈しておこう。 「食堂に行こうか、涼」 「待って、着替えるからっ」 俺は寝る時はネグリジェ…じゃなかった、ジャージ派です。パジャマもたまに着ます。そう、つまり、特別なこだわりを持ってるわけじゃないってことだね。 「はい、眼鏡」 「ん、ありがとう」 [次へ#] [戻る] |