紅凜学園 らぶらぶ 普通ね、男同士で抱き合ってたら、もっと突っ込みを入れるから!そしてもっとびっくりします! それを何、俺のこの溶け込みの上手さ!感嘆に値するよ! はは、自画自賛だよ!どうせ、誰も俺のことなんて褒めてくれないからね! 「涼、ショックじゃないの?俺と空牙先輩が婚約、なんて噂」 「……姫色は、どうなわけ?迷惑じゃないのか?」 なぜだか、声が震えた。 どうしていいかわからなくて視線を泳がせていると、あることに気づく。 …あれっ?雫と快音くん…いない! いつの間に…。恋人同士の楽しい時間を過ごしたいとか、そういうことですか。このやろう。 「根も葉もない噂だよねぇ。…迷惑って言うより…まぁ迷惑だけど、意味がわかんない」 「…ですよねー…。でも何で、この学園内にいるってことになったんだか…。実際、その通りなんだけど」 姫色の…迷惑、という言葉には、あえて突っ込まないでおこう。 「今までもなかったわけじゃないんだよ、帝華の婚約者の噂」 「…え?」 まただ。 心臓が苦しくなる感じ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |