【創作・詩】桜



昔見たあの桜も
今はこの桜と同様に散っているのであろうか

冷たき雨に打たれ
地へと落ちたる花弁は
何とも物悲しきものである


春の夜に咲くそれを
鬱々とした心地で見上げたあの日

夜の空を仄かに彩るあの色は
くすんだ心を澄ませる程で
時を忘れんばかりに立ち尽くしていた


今あの桜が
この桜と同様に散っているとしたならば
一層物悲しき事であろう

そうであるから
今あの場所へ行くべきではない、と
眼前の桜を見つつ思う

次にあの場所へ行く時は
あの時と同じでなければならない、と
曇天を見つつ思う


思い出の場所は
いつまでも聖域であってほしい、と
あの頃を想う心は まさに恣心(ししん)




授業で桜をテーマに詩を書きました。
詩ってどう書けば良いのでしょうか。良くわかりません…
ちなみに恣心は“我が儘な心”という意味です。

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