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幸せの定義




「見て、蔵馬!可愛い」

「ほんとだ」



彼女は街の人混みのなかを指した


指の先には仲良く歩いてる家族
まだ幼い2人の兄妹と仲良く手を繋ぐ両親
なんとも微笑ましい光景であろう


「いいなー。あたし結婚して子供が出来ても旦那さまとは手を繋いで歩きたいの!」

「そうだね」

「うん!んでたまには2人でデートしたりしてね」

「うんうん」

「子供たちに『パパとママはすごーく仲良しなんだよー』って言われたい!」

「あははっ」

「なんで笑うのー」

「いや、幸せだなって」

「え?」

「こういう話をして、名前との未来が想像出来るんだ、って思って。なんか嬉しいよ」

「うん、あたしも…」



そう言って彼女は握る手の力を強めた
俺もそれに答えるように手に力を込めた



「子供は何人がいいかな」

「あはっ、蔵馬気が早ーい!」

「ね、名前は何人がいい?」

「うーん、あたしは蔵馬に似た男の子が欲しいな」

「俺は名前に似た可愛い女の子がいいな」

「『パパ〜大好き〜』って言われるんじゃない?」

「うーん、嫁にいかせたくなくなるな」

「あはっ、親バカ〜」

「あははっ」



本当に幸せだ
君との未来に俺がいると想像するだけでこんなに嬉しく感じるなんて
そしてまるだそれが約束されているようで



「ねぇ、蔵馬?」

「ん?」

「おじいちゃんとおばあちゃんになっても、こうやって手繋いでくれる?」

「もちろんだよ」

「手、皺々かもしれないよ?」

「じゃあ俺もそうなるだろ」

「髪も白髪でいっぱいかも」

「構わないよ」

「…それでもいいの?」

「ああ、ずっと離さないよ」

「うん…」

「まあ、離れさせないけどね」

「ちゃんと捕まえといてよね!」

「あははっ」



笑い合ってぶんぶんと繋いだ手を前後に振りながら歩いた
離れるものかと互いに強く握りあって


2人が描いている夢はそう遠くない未来に現実となるだろう





「今からうちに来ない?」

「なんで?」

「予行練習しようと思って。将来の子供たちのためにも」

「…!エッチ!」





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あきゅろす。
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