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ぜろご
            太陽の子 ぜろご






               朝練が終わって教室へ戻ってきたはいいが、泉は中々名前
               に声をかけることが出来なかった。名前は名前で友達と喋って
               いて声をかけづらいし、こっちはこっちで浜田や三橋、それ
               から一番危ない田島がいるもんだから、どう考えても無理
               に等しかった。挙句の果てに名前本人はどこかへ行ってしま
               うというしまつ。これじゃあ一日無理なんじゃ、という心配を
               よそに、うるさい三人。困った、困った。





               「そーいや、今日の苗字なんか雰囲気ちがくね?」

               (ばかやろー、浜田なんかより俺のほうがとっくの昔に気づいてた)





               すると田島が「え、お前等気づかなかったの」と声をあげた
               ので、こいつまさかもうわかってたんじゃ…と、泉の不安が
               悪化していく。KYである田島は勿論そんなこと察知うる能
               力なんて持っていないので、そのまま喋り続ける。





               「あいつ、今日二つ結びなんだよ、あれえっと」

               「おさげだろ?」

               「そう!それそれ、さっすが浜田!」

               「俺、一応先輩なんだけど…」






               そうか、それで今日は違ったのか。解決できたことはうれ
               しかったが、それを自分自身で探し出すことが出来なかっ
               たことがすこし悔しかった。





               「いつも苗字お団子だもんな」

               「あー、いつものもかわいーけどたまにするほかのやつもかわいーよなっ」

               「なに、田島って苗字のこと好きなの?」

               「もちっろーん!だってかわいーじゃん苗字!な、三橋っ」

               「う、うん、あ、え、苗字さ、んは、何で、もにあ、う、と、思う、よ」

               「だよなあーっ!」





               こいつの好きってどっちの意味だ、とまた悩む泉。さっき
               までのモヤは消えた物の、また別のモヤがやってくる。今
               日は忙しい日だ、と思いつつも中々帰ってこない名前が心配
               になったり、田島が迎えにいってくると言い出したことに、も
               っと心配になったり、それでもモヤは消えないし…、かなり
               お疲れの様子の泉にまた浜田が冷やかしをいれてくるから
               たまったもんじゃあない。泉が爆発するまであとどれくらい
               持つのだろうか。








               次から次へと忙しい日           09/09/25 @ ぱこ




あきゅろす。
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