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夏の地獄、合宿最終日の今日は、我等が青道・稲城実業・修北の3チーム総当りによるダブルヘッダー。
一試合目は青道と稲実だった。 稲実のほうは主力メンバーを温存してる。
ノリもかなり限界がきてるけど、ここで投げとおさせなくちゃ意味がないんだ。
栄純君がかなり交代したいとか叫んでる声がこっちにまで聞こえる。 あんまし大声で叫ぶなよ。














お疲れでしたー、稲実とうちの試合は終わりました。次は稲実と修北の対決。
あたし達はお昼をたべながらの観戦となります、もうお腹が減って仕方ないんだ、早く食に、お弁当にありつきたいようぅ。





「名前、沢村みたか?」
「見てないけど・・・ 栄純君いないの?」
「ヒャハ、そーなんだよっ、やっぱどっかでベラベラしゃべってんじゃねーの、ヒャハハ」





あたしも探すの手伝うといって、かずと倉持と一緒に栄純君を探した。
そしたら栄純君の声が聞こえてその声のする方向へ言ったら案の定、栄純君が稲実の人としゃべってた。
それもこっちの情報を・・・ あ、倉持が走っていった。
栄純君にタイキックをお見舞いしてやった倉持。
仕方ない、栄純君をお引取りに行きますか、めんどーだけど。





「栄純くーん、倉持ー!」





手を大きく振って叫んだ。 うぅ、お腹が減っていく・・・。
あれ、あれれ、あの稲実の人みたことあるぞ。 あのフワッフワした髪の毛・・・ もしやっ!





「名前っ!!」
「うわっ、ちょ、危ないって」
「名前だっ、名前だ名前だ名前だ!!」





あたしが反応するのより先に向こうがタックルのような(いやタックルじゃないんだけど)
抱きしめてきただけなんだけど軽く勢いつけすぎだから、痛いから、苦しいよー、苦しい、危ない危ない!!





「くるしーよ、鳴、死んじゃう!!」
「あ、ごめん」






あたしが言うと鳴は離してくれた。
なんか改めてこう向き合うと照れるなー、あたしこんなキャラだったっけ、落ち着けー、落ち着くんだー、深呼吸だよ!!!!




「(よしっ) 久しぶりだね、・・・ っと、えっと」
「名前にあえて嬉しかった!」
「あたしも、鳴に会えて嬉しい」





大きくなったなー、雰囲気とかも・・・ ちょっと大人っぽくなった。
でもやっぱり鳴だ。 フワフワの髪の毛とか、子供っぽくて無邪気なところとか、話し方とか、笑ったときとか。
このとき、あたしは完全にまわりがみえていなかった。





「名前」
「何?」
「もっかい抱きしめてもいい?」
「・・・ 喜んで!」





あたしが言ったのを合図に鳴はあたしに飛びついてきた。
時折鳴の髪があたってくすぐったい、けどなんか安心した。





「好きだよ鳴」
「俺も!」





耳元で囁きあって離れた。
さすがにこの後試合があるから、ずーっとこのまんまにいるわけにはいかない。
それに鳴が投げるみたいだし、名残り惜しいけどこれでさよーならだ!





「しっかり見ててよ」
「見てるよ、鳴しか見てない」
「俺、名前のために投げるから!」





鳴はそう言うとあたしのほっぺにキスして帰っていった。
その後しばらくあたしは軽く放心状態。 いけない、いけない、早く戻ってお昼食べなきゃ!





「あいかわずのラブラブだな」
「かずは相変わらずうざいね」
「見せ付けてくれるよなー、惚気ー」
「うざーいー!」





その日一日、とってもハッピーな気分でした!
もう幸オーラ全開でしたよ、って暁君から言われた。 やっぱりか、でも気づかなかったよ。
ほんと、空飛べそう!







桃色ラプソディー
(ちゃんと見てるからね、鳴)(ちゃんと見ててよ、名前)

















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