夏の地獄の合宿に入りました。 今日は大阪桐生との試合、 桐生の投手さんのお顔がとても怖いです。
貴子センパイも軽く怯えてた、実際手が震えてますよ先輩！！ でも唯一監督さんとはなんか仲いいみたい。
時折笑顔を見せてた・・・ その笑顔もちょっとキツかったけど。





「あ、春乃ちゃん」
「名前先輩！ ・・・ 4回で11点も失点だなんて」
「あー、暁君のこと？」





春乃ちゃんはわかってないなー、って言ったら春乃ちゃんはものすごく不思議そうな顔をした。
暁君の実力はこんなもんじゃないよ、こんなんでおわるならわざわざ北海道からなんて来ないって。
皆まだまだ考えがあまいなあ、うふふ。

















あの後、やっぱり暁君はあのままじゃ終わらなかった。
後半、かずも後ろに逸らすような変化球を投げちゃったし、打撃のほうじゃもうそりゃ打っちゃったしねー。 あっぱれあっぱれー！
結果的には14-7っていう惨敗だったけど、途中から投げた栄純君がすばらしくって、3失点に抑えた。
今年の一年生は皆すごいな、怪物だなー。
桐生の人たちがバスに乗り込んで帰ろうって言う時、桐生の投手の舘っていう人が暁君たちになんかしゃべってた。
まあ、がんばれてきな感じじゃないかなー？





「俺らの学校マネジ5人もいていーよなって」
「ふーん、だから」
「向こうは皆怖がってはいんないんだとよ」





確かに。 かずの言葉にあたしは思わず納得してしまった。
きっと怖がっている理由の8割は舘君の顔が影響しているであろうことだろう。





「まあ、5人いよーが何人いよーが、名前が一番だけどな」
「ふーん」
「・・・ ・・・ え、スルー！？」





スルーに決まってんでしょ。 全くこいつはー、あきれるよねホント。
野球やってるときはどーしてあんな真剣になれるのに、一歩離れるとこんなんなるし。
考えてることがよめないっていうか、つかめないやつっていうか、空気みたいな？
ほら、空気ってよめないじゃん、KYだよ。 で、空気ってつかめないじゃん。
これほどぴったりなものはないと思う。
でも、根はいいやつだ。 と、思うよ、きっと。





「かずは空気だね」
「えー、そんなんじゃ名前守れねーじゃん」
「別にかずいなくったって平気だしー」
「鳴がいるから？」
「・・・ ・・・ ・・・」
「図星ねー(ニヤリ)」





前言撤回、いいやつだなんてこれっぽっちも思ってない！ 思ったこともない！
やっぱり空気だ、空気！ こがぁなやつこんなやつ空気でぴったりだー！




フライ
(鳴なんかじゃなくて俺にすればいいのに)(ふざけんな)(俺はいたってまじめだ、はっはっは！)