今日、起きたのは完全朝練が始まった時刻。
かわいそうなことに、あたしは通いじゃなく寮生活。
もちろん、男子の中に一人女子なんてこともできないから一人、部屋を占領中。
だけど防犯設備とか別に万全じゃないし、むしろ行き来自由な状態だからあんま意味ないっちゃ意味ない。
ま、遅刻した理由はきっと昨日のDVDの見すぎかなー?
だって三浦君かっこいいんだもーん、しょうがないじゃん。
大丈夫、貴子先パイも三浦君好きだし、まあやさしいし?
「貴子先ぱーい! 遅刻しましたー、ごめんなさいです。」
「(ごめんなさいです?) お、やっと来たね。一軍専属マネージャー。」
「・・・ その呼び方止めてくださいって。」
一軍専属マネージャー。
あたしはあんま好きなわけではないけれども、なんかそれで知れ渡ってる。
ある意味かわいそうなあたし、どーして一軍の専属なんだろうか、
あんな個性豊かな・・・っても野球に欠ける情熱は人一倍、多分強い人たちの集まりだと思うけど。
「そうだ、名前。あんたに紹介したい子がいるんだけど」
「お見合い話は受け付けませんよ」
「何馬鹿言ってんのよ、新しく入ってきたマネージャーの子に決まってるでしょ」
さすが貴子先パイ、あたしの冗談を軽くスルーしちゃって。
まあこのテンポ嫌いじゃないけど・・・そんなことより、
例の新しいマネージャーが気になっちゃって。
「吉川春乃です。よろしくお願いします (可愛い人だなぁ・・・)」
「え、っと、苗字名前です (き、緊張・・・)」
「春乃、例のマネージャー推薦できたって言う子はこの子だから」
「そうなんですか!!」
(あれ、なんで知ってんの。つかあたしがいない間にどんだけ話が・・・)
あたしは確かにマネージャー推薦て言う、
一般手にはあまりない、あまりどころじゃないけど、とりあえずないような推薦できたわけ。
っていうかなんでこんなに話し進んでんのかなー、あたしが休んでたのって昨日だけだったんだけど・・・あれ?
「専属ー!! 早くこいやー!」
「今いきまーすっ」
専属・・・あたしか、そうかそうか。
もう出番か今きたばっかり、あ、いえ何もございません。
何も思ってないし、何も言ってません。
「じゃあ呼ばれてるんで行ってきます」
貴子先パイに一声かけてあたしは一軍のメンバーが集まるところへ駆けていく。
まったくみんなあたしをいいように使いやがって・・・マネージャーってそーいう仕事なんだけどさっ!!!
初日の遅刻
(オラオラー!! どんどんノック打てー!!)((鬼だぁっ))