薔薇讃歌
神気纏う私の色は運命の様
嘘で疵付ける心は鮮血の深海
鏡に罅を入れた事が私の罪
兄様が云っていた
決して門を開けてはならぬと
翳に呑まれて‘私’を失うと
脚を踏み外した先は
息が出来なくなる程の空間
仄暗き水底から聞こゆる声
我が傀儡の果てと成れと
薔薇が枯れる事など無いと思っていた
震える睫に気付かぬ様に瞑目を
私の好きな薔薇をこの手に摘んだ
姉様が云っていた
決して門を通るなかれと
悪の矛先が‘私’を襲うと
枯れゆく薔薇達故に
私に触れる資格など無いと
仄蒼き奥底から聞こゆる声
我が媒体の屑と成れと
許さないと誓った棘の子
哀情だけで生きる事など出来ぬと
千古昔遥かの我が御魂よ
魔を討ち滅ぼす術を我に捧げたまえ
仄紅き海底から聞こゆる声
肉体は滅びとも魂は不滅ぞと
(悪魔の漆黒は我が心を染む)
/薔薇讃歌( 様)
:薔薇讃歌
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