椛と蘖
見上げてみよ蒼穹を
藍に染まゆ椛の鏃
磨かれざる 銃口の
咎を持ちし 弾劾
朱と緋との違いに
罪など無いと双葉を踏めば
厭わしき蔓の莟が
甘美なる薫を撒き散らさん
髪靡かせゆくその風
颶と共に渦巻かん
蘖の葉がゆらりと
芽吹く命に咆哮せん
愛し続ける事程に
難しい事は無かろう
永久に羽ばたく途の先に
旗翻し踵鳴らし
堕ちゆく先知っていようとも
儚き此の人の世に
終焉を捧げん
生きよと言葉に
秘められし言霊の
嗚呼 鳥嘶く様誠なり
谺せしは鷹の声
爪を食い込ませ金の眼で睨まん
壁を伝い地を這うのは
黒蜥蜴の景色ぞと
葉が目の前に落ちゆく
我等は煌く椛ぞ
血の如く地を朱に染めゆ
義気翳し敵に見えん
此処は我等の愛しき國
何時か奈落 堕ちようとも
鎖ひとつで繋ぐ
義旗翻し種を絶やす
我等は皆 尊き神の子
喩え脈が止まりども
新しき世を繋ぐ
飛沫が舞い散り
同志が消えゆけども
嗚呼 我等は永久の戦士なり
(再び我等は剣を交えん)
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