電車
電車という限られたスペースに人がひしめき合っている。人々が発する二酸化酸素だとか体臭だとか話し声が飽和する世界。きもちわるいきもちわるい。彼等の話す言語が声ではなく音で、強引に私の耳の中へ侵入してくる。それらは私の頭の中を目茶苦茶に犯し始める。ああ私の頭の中は淫乱だ、様々な音に踊り躍らされとうとう脳が発狂すれば楽になるのだと指示を出す。対外私はその指示を聞いた時には手首にカッターを走らすのだが、今は電車の中だ。私は仕方なく頓服薬を唾液のみで飲み込んだ。あーあーこんな事なら水を常備しとばよかった。というか事の発端は電車が怖くて乗れないということだ。今日の体験があった以上、今後電車に乗車する前には予め頓服薬を服薬し、どうしても我慢ならなくなった時に何をすべきか考えておく必要がある。私という人間は本当に面倒臭い生き物だ。
［*前へ］［次へ#］
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
