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片目だけ潰してよ


×丸井と赤也




「あー、不毛」


何が、とかそんな事どうでもいい。何に対して、とかそれがわかったら苦労しない。多分自分は今生きている環境に対して不毛を感じているんだ、きっとそう。




嘘、本当は不毛の意味も知らない。ただ今の気持ちに一番合う言葉が見つからなくて、どこかで聞いたことあるようなないようなその 不毛 という言葉を当て嵌めてみただけ。

でも、もちろん不毛という言葉は訳の分からないこの気持ちに嵌まっても、どこか隙間があったりギチギチと軋んでいる。


きっとこの感情に名前なんて無い、付けられないんだ。このとてつもなく厄介な気持ちには。












「…反抗期?」

「そんなダセーもん今更なるかよ」




やっぱり赤也は馬鹿だ、こんな奴に話すんじゃなかった。


「じゃあ何だって言うんすか」

「だーかーらぁー、わかんねーつってんだろ馬鹿赤也。分からず屋、馬鹿阿呆糞死んでしまえ 。」

「そこまで言うことないじゃないっすかー!!珍しく先輩が元気無いから話聞いてあげたのに!俺もう知らない!」


そう言い放つと、赤也の野郎は踵を返して屋上から出ようとした。











「…なんスかこの手。」

「俺も知らない。」




何を思ったのか、俺の手は赤也のシャツを握り締めて引き止めようとしていた。



「丸井先輩、離して。」

「……」

「丸井先輩、」

「…」

「何、俺に行って欲しくないんすか?」

「…」


嗚呼、赤也のニヤニヤした笑顔がムカつく。こいついつか本気で死ねばいい。


「しょーがねー。先輩がそこまで言うなら居てあげますよ」

「んな事言ってねーし!!」

「はいはい」

「ふざけんな、やっぱりお前死ね。髪の毛増えすぎて窒息して死ね!」

「酷ー。」














嗚呼、なんて気持ち悪い!!

(冗談もいい加減にしてよ!)


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