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:勝手コラボ2

時姫とあーちゃん宅の叶多くん(似非)です


「悪いわね、秋雨くん。騒がしく礼儀のなっていない馬鹿だらけで」
「いや別に、三橋に勝手に着いて来たのは俺……です、し」
「敬語、慣れてないなら必要無いわ。同い年くらいでしょう?」
 夕飯のロールキャベツ(よってなことはとても不機嫌)を食べ終えて、デザートタイム。
 黒梨がお茶を煎れている隣で、三橋さんがスイスロールとガトーショコラを切り分けている。黒梨が棚から数種類のティーバッグを取り出して、あー、と唸るのが聞こえた。

「三橋たち、は、紅茶で良いか?」
「……なんでもいいですけど」

 未だ警戒されっぱなしの黒梨を半ば哀れに思いながら、ふと見ると秋雨くんが三橋さんをじーっと見ているのが見えた。面白い。

「彼女さんでしょう? 良いのかしら」
「彼女じゃ、ない、よ」
 と言う割に、ああそう片想いなのね、と勝手に解釈する。すると彼から、じゃあ懶さんの彼氏さんは良いのか、と聞かれた。
「……ぷっ、彼氏、って……黒梨? 嫌だわ、彼がそんな風に見える?」
 似非紳士で誰にでも優しい外見不良。絶対に嫌よあんなの、願い下げ。
 ああ、そう、片想い。彼は先ほどの私と同じように勝手な解釈をしたらしく、苦笑した。

「黒梨よりも警戒すべきはなことよ、彼奴は女の子が好きだから」
「へえ、心得ておくよ」

 かたん、と黒梨が私の前にジャスミン茶のカップを置き、隣の秋雨くんの前に紅茶を置いた。一歩遅れて葵さんがケーキを置く。ありがとうと言うと、少し笑った。私は黒梨ほど警戒されて居ないらしい。彼女の警戒レベルの設定は少し直したほうが良いわ、私は黒梨よりも厄介よ、多分。

 其れから黒梨が未だにロールキャベツに不貞腐れているなことを叱り緑茶を与え、アークにほうじ茶を与えた。

 ──いただきます。

 世の中、分からないものだ。この社会不適応だらけの場所に、いとも簡単に踏み込んでくる人が居るなんて。嗚呼、そんな世界なら捨てたものじゃないわ。そう思いながら、私は少し不恰好に切り分けられたガトーショコラを口に入れた。






※多分なことは2人の帰宅後こんなんでした。


「あんねー黒梨、葵ちゃんショタは許容範囲なんだよー?」
「17歳に言うかよ、それ」
「違う違う黒梨は諦めなよ外見が無理だよ図々しいよ、あのね、僕のこと!」
「いやいやいや14歳でショタいけんのは鏡音だけだろJK。アークですら危ういっつの。ほんっとお前女好きな」
「えー? 美人ときょぬーと美少女とあと僕に優しいひとが好きなだけだよ」
「うっわそりゃひっでえ」
「だから葵ちゃんはすきー、いことも二次元だったら好きだって言ってた」
「うっわそれもひっでえ」






※もしもあの電話の時に琉夜が居た場合

 不良、ぽかった。嫌だなあ私ああいう人間とは付き合うのを極力避けたい、の、だけど。一応番号を聞いたわけだし、掛けようと思った。
 数回のコール、あまり待ちたくなくて切ろうかとも思った頃、ぴ、と音がして少し焦った様な声がした。
『もしもし』
「もしもし、暗清さんですか」
『え、あ、は『だああごるぁあああてめえ黒梨俺の話聞きながら電話出るたあ良い度胸だなぁ、あぁん?』』

 ──駄目だ、やっぱり不良は不良だ。私は無言で電話を、切った。






つまり黒梨よりも琉夜のが不良です。









あきゅろす。
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