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注:アンハッピーエンドが苦手な方はご注意を…






いったい

何時になったら

オレは

解放されるのだろう…?







窓からは夕日の光が入り、もうすぐ夜が訪れようとしている。
ここに来たのは昨日の昼。来たと言うより連れて来られたと言った方が正しいだろう。
今のオレの状況は両手をベッドの両サイドに紐で括られ、足は閉じないように鎖に繋がれ先には重い鉄球が付いている。動かす事は可能だが、それも微々たるもので何の役にも立たない。
それに体には布一枚すら身に付けていない。昨日まで着ていた衣服は破れ、ただの布切れと化しベッドの下に落ちている。
オレはここに来てから何度目かも分からないため息を吐いた。

「退屈そうだね」

いつの間にか部屋に入って来たのだろう。にやにやと笑みを浮かべて歩いてくる男から視線を反らせる。

「上司に対してその態度はないんじゃないのかね?」

グイッと顎を掴まれ視線を合わせられる。
今一番見たくない顔。オレをこんな風にしている張本人。

「あんた何がしたい訳?こんな事して楽しいか…大佐殿?」

大佐はオレの顎から手を離すと、オレの解かれた髪の毛を一房指に絡めた。
髪の毛は重力に従いぱさりとベッドへと落ちる。
そんな事を何度か繰り返し、満足そうな表情を浮かべる。
全く持って理解できない。

「ご飯がまだだったね。お腹が空いてるだろ?」

オレの質問には答える気は無いらいし。オレは眉間に皺を寄せ、怒りをぶつけながら答えを返す。

「飯なんていらねぇ。早くこっから出せ」

「ご飯はいらないか。では私も後で食べる事にしよう」

ここまで綺麗に無視されると、言葉が通じてるのかさえ疑問に思えてくる。
そもそもこんな事になったのは昨日の昼、いつものように報告書を出しに行った時だった。





「よっ!報告書出しに来たぜ〜」

ノックも無しに部屋に入れるのは毎度の事。もうそれを注意される事も無くなった。
部屋の中に視線を送れば大佐とハボック少尉がこちらに視線を向けていた。

「よぉ大将!久しぶりだな」

「全くいつも突然だな…電話の一本くらい入れたまえよ」

大佐のいつもながらの嫌みをさらりと流し、報告書を出そうと近付けば、少尉に頭をがしがしと撫でられる。
止めろと言いながら手を払えば、今度は頭をポンッと軽く叩かれた。
その動作が子供扱いされているようにも感じ少し腹立たしいが、それ以上に家族のような温かみが何だか心地良いとも思う。

「じゃあまた後でな」

少尉は仕事があるのかすぐに部屋を出て行ってしまった。
おぅ!と笑顔で返事をして返して大佐の方を振り向けば、眉間に皺を寄せあからさまに不機嫌だと言わんばかりの表情だ。
報告書に何かミスでもあったのか?また長ったらしい嫌み聞く羽目になるな…とこれからの事にうんざりしていると、報告書はこれでいいと予想外の声が出てきた。

「じゃオレもう行くわ。アルも待たせてるし」

用も済んでさっさと部屋を後にしようとドアノブに手を掛けた時、後ろから首に衝撃が走った。
この部屋にはオレともう一人しかいないのだから犯人は言わずもがなだ。
意識が無くなる前に見たものはにやりと弧を描いた口だった。





その後意識を取り戻した時には今と同じ状況だった。
最初はどうにか逃げ出せないものかと暴れていたが、それも無駄に終わった。
責めてアルに連絡さえ出来ればとも考えたが当然無理な訳で…オレはこんな状況にした奴に文句を言い続けるしかなかった。

「テメェこんな事して後でどうなるか分かってんだろうな?」

この時後でどうなるか分かってなかったのは自分の方だ。

「うるさい口だ…」

ぼそりと呟かれたと思った時には大佐の顔が直ぐ近くにあった。
一瞬何が起きたか理解出来なかったが、唇の生暖かい感触からキスされているんだと分る。
拘束されていては抵抗も出来る筈も無く、足から繋がった鎖がジャラジャラと虚しく音を立てるだけ。
口の隙間から無理矢理捻り込まれた舌に口内を犯され、舌を絡み取られる。
愛なんてひとかけらも無いその行為はただ気持ちが悪いとしか感じられない。
どうしてオレは大佐とこんな事をしているんだろうかと、思考力が低下しつつある頭の片隅で考えていた。
やっと口が離されどちらのものかも分からない唾液が糸を引いた思えば、下半身から違和感を感じる。事もあろうか自分でもあまり触らないような場所に大佐が手を掛けていた。

「ちょ、何して…っ…」

一気に意識が覚醒したオレは止めるように言おうとしたが、それより早く大佐は手を動かし始めていた。
強弱をつけて扱かれれば、否が応でも体が反応し始める。
それを意地でもイかないように耐えていれば、それが気にくわなかったのか手を離しそれを口に含んだ。

「ゃ…きた、な…ぃだ、ろ…ぅあ…」

舌で裏を舐められたり、口で強く吸われたりを繰り返されれば、さすがのオレも我慢仕切れずに大佐の中に白濁色の液を吐き出した。
肩で息をするオレに満足そうな大佐は、行為が始まってからは一言も喋ろうとはしなかった。
それから後は思い出すのも嫌な事だ。
殆ど慣らされる事もなく無理矢理後ろに大佐のものを突っ込まれた。
引き裂かれたそこからは鉄の匂いが漂い、初めて体験した圧迫感には息が止まるかとも思った。
最初に繋がった時にはただひたすら痛かった。快楽など微塵も感じられず、中で熱いものが出されたのを最後に意識を手放した。
目を覚ました時には体は綺麗になっていた。気を失っている間に処理されたのであろう。
しかし部屋には大佐は居らず、睡魔に負けたオレはそのまま身を委ねた。

そしてまぁ今のこの最悪な現状にいたる訳だ。
腰ははもちろん、無理矢理捻り込まれたそこはズキズキと痛む。
だがそんな事は表情には出さず、目の前の男を睨み続けた。

「すまなかったね」

突然の謝罪の言葉にもしや解放してくれるのか!?と淡い期待を抱いたものの、次の台詞に脆くもそれは崩れ落ちた。

「昨日はあまり感じられなかったようだから、今日は君が気持ちよくなるように良い物を用意した」

やる気満々らしい大佐は、ポケットをごそごそと探り出した。取り出した物は小さな瓶。中には怪しげなピンク色の液体が入っている。
その物体が何なのかは分からないが、きっとロクな物ではないと予想はできた。

「何だよ…それ?」

「だから君が気持ち良くなれる物だ。まぁ効果は体感した方が早い」

気持ち良くなりたいなど思って無いと思いながらも、抵抗するだけ無駄なのは目に見えているので黙っておく。
大佐は瓶から出した液体をオレ自身に付け、そして自分の指に付けた液をまだ痛む後ろへと挿し入れた。
ぬるぬるとするそれは気持ちが悪いし、また突っ込まれるんだろうな…とか思っていたら、大佐はオレから離れてベッドの横にある椅子に腰掛けた。
何が何だか全く理解出来ないオレはただ大佐の行動を待つしかない。

「…………っ!?」

突然感じた下半身の違和感。液体を寝られた場所から痒みを感じ、体が火照って息がかってに荒くなり、さっきまで何にもなってなかった自身は上へと向き始める。

「なっ…に……は…ぁ…」

熱を解放したくてもこの状態では何も出来ない。
どうにかしたくて大佐をちらりと見れば視線が絡み合った。
口元には怪しげな笑みが零れていたが、もうそんな事を気にするほどの余裕は残されていなかった。

「はッ……ぁ……ん……ゃ…」

大佐がオレ自身へと指を這わせれば、それは意図も簡単に上を向いた。そのまま解放してくれるのかと思えば、ギリギリの所で手を離されて戸棚を漁り始めた。

「君が楽しめるようにこんな物も用意したのだよ」

そう言って持って来たのは紐と男性器を象った物体。大佐はにこにことしながら楽しそうに紐を根本へと縛る。

「やっ…と……って……ぅあ…」

解放直前のそこを縛られては苦しくてしょうがない。
目に涙を溜めながら大佐を見るが、そんなことはお構いなしにもう一つの物を秘部へとねじ込んだ。

「ぁ、あ…ひぁ…ふ、んっ……」

塗られた物のおかげで、さほどの痛みも感じる事もなくそれは奥へと侵入してくる。
体はビクビクと反応し、縛られているそこは痛みを増す。

「すごく美味しそうに飲み込んでいくよ…こうしたらどうなるのかな?」

カチッという音と共に、中に埋められた物が暴れ出した。

「――ぁああああ」

悲鳴に近い声が部屋の中へ響き渡る。
もはや思考力など無い。感じたまま声を上げる。

「あぁ、も…ゃ…ダ……ひぁ…」

涙をボロボロと零しながら助けてを請う。プライドなど関係ない。早くこの苦しさから解放されたかった。
ふっと笑い声が上から聞こえ、中の物が動きを止める。

「助けてほしいかい?」

こくこくとひたすら頷く。
後の事など考える余裕は無い。
兎に角早くこの熱をどうにかしたい。

「ならばこう言いなさい…………」

耳元で囁かれた言葉を繰り返す。

「大佐の大きいやつで…オレを犯して、ください……めちゃくちゃになるくらいに……」

大佐はオレの頭を撫でると、玩具をずるりと引き抜き己の物を一気に突き入れた。

「は…んぁ…あぁ…くっ…」

ガンガンと打ち込まれるそれに意識が遠退きそうになる。
オレはただひたすらに目の前の男を求めていた。

「ん…はっ…ィ、き…た…ぃ…ぁあ…」

「私もそろそろイきそうだ…」

大佐はオレ自身に結ばれた紐を解くと同時にギリギリまで自身を引き抜くと、一気に最奥まで押し込んだ。
その衝撃にオレは腹の上へと溜まっていたものを撒き散らし、意識を飛ばした。
ロイはエドの中から欲望を出したそれをずるりと取り出し、意識の無いエドの頬へと手を充てる。

「誰にも渡さない。私だけのものだ…」

それはエドを愛するが故の
歪んだ愛の形……―――




Fin


あきゅろす。
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