さよならの後は…の続編になります









「鋼の…ヤっても構わないかい?」

「えっ!?」

それは突然の誘いであった。
思いがすれ違いさっきまで別れると思っていた相手と、よりを戻せたのはついさっきの事である。

「だけど……」

二人がいるのは東方司令部のロイ専用執務室。ここではいつ誰が来てもおかしくない。

「ここじゃ誰が来るか分からないし、帰ってからじゃダメ?」

「鍵を閉めれば誰も入らないさ。それに私は今すぐ君と繋がりたい…」

相手の為に別れようと決意を決め、我慢して自分の気持ちを押し込めた。
しかし思いが通じ合った今、そんな必要は無い。
寧ろ我慢した分相手を求める気持ちが高まっていた。

「嫌かい…?」

ロイはそう言いながらエドの頬に手を充てると、親指で唇をなぞった。

「〜〜〜分かったよ!大佐の好きにしろ!!」

顔を赤くしながらフイッと視線をズラせば、グッと引き寄せられて唇を奪われた。

「ふっ…んん…ぁ‥」

空気を求めて口を開けば、そこから舌を入れられ更に深く口付けられた。
歯列をなぞられ奥に引っ込んでいた舌を絡めとられる。
エドも必死にそれに答えようとするが、ロイにされるがままの状態になっていて足にさえ力が入っていなかった。
エドは息苦しさにロイの胸を叩いた。

「キスをする時は鼻で息をしなさいと言っているだろ?」

エドは顔を赤くしながら肩ではぁはぁと息をする。
エドもロイに言われた事は頭では分かっていても、いざ始まるとロイのキスに酔ってしまい頭が痺れ何も考えられなくなってしまうのだ。

「あんたががっつき過ぎなんだよ!」

そう言い返せばはいはいと軽く流されてしまう。
口でいくら反抗してもこの大人には絶対にかなわない。
エドがむーっとロイを見ていれば上着の金具を外され首に吸い付かれた。

「んっ……ッ」

ロイが口を離した所には白い肌の中に赤々と痕が残していた。

「こんな所に痕付けんなよ!誰かに見られたらどうすんだよ!?」

それがある場所は上着で隠れるかどうかの微妙な位置。

「見せ付けてやればいい…私は君のものだとね……」

「バカ…」

そんな事は出来る筈が無い。
只でさえ世間的には認められていない関係だ。
幸いエドの周りにいる人達の中には反対する人は無く、寧ろ応援してくれるくらいである。

「またくだらない事を考えているだろ…?公の場に私達の関係がバレたら迷惑を掛けるとか…」

図星を突かれてエドはビクッと肩を揺らした。

「やはりね…そんな事は気にするなと言っているだろ?」

「でもさ……んっ」

やっぱりマズいだろと続けようとしたエドだったが、その前にタンクトップの隙間から手を入れられ、胸の飾りをいじられそのままロイに流されてしまい言う事が出来なかった。

「君は何も気にしなくていいんだ。ただ前を見て進みなさい」

「はっ…言わ、れ無くても…っ…オレは前、に進む……んっ‥誰にも‥邪魔さ、せない……」

例え邪魔をするのがあんたでもオレは歩みを止めない。
だからあんたも安心して思うがままに行動すればいい。
絶対にあんたの思う通りなんかにオレは動いてやらない。

エドはいつの間にかソファーに押し倒されていた。
目に映るのは真っ白な天井と微笑みを浮かべる男。

「そうだね…今まで君が思った通りに動いてくれた事など一度も無いよ。いつも予想外な事をしてくれる。いい意味でも、悪い意味でも……」

だから君から目が離せなくなる。
だから君に惹かれて止まない。
自由に動き回って欲しいと思う気持ちと、ずっと傍にいて欲しいという束縛の気持ち。
矛盾しているが、それはどちらも本当の気持ち。

「好きだよエドワード…」

ロイはエドにキスを送りながら、エドのズボンと下着を下へとズラしエド自身を手で包んだ。

「んっ…ふぁ…ッ…‥ぁう…」

手を上下に動かせばエド自身からは先走りが流れ出す。
くちゅくちゅという厭らしい音が部屋の中に響く。

「もうこんなにさせて…」

ロイは先走りで濡れた手を堅く閉ざされた後ろへ持っていき、指でゆっくりと解かしていく。

「あっ、ん…ふっ…」

「後ろだけでもこんなに感じるんだね…」

エド自身は腹に付く程に天を向き、先端からはとろとろと蜜が流れていた。

「言う、な…よっ…」

差し込まれた指はいつの間にか三本まで増やされていた。
三本の指をバラバラに動かせば、待ちきれないと言うかのようにグッと締め付ける。

「こんなに締め付けて…厭らしい体だ」

ロイがそう言えばエドは顔を赤くさせた。

「あんたのせいだろ!?それより早く大佐の入れろよ!!」

「全くムードが無い事を言うね…」

ロイがふぅと呆れたようにため息を付けば、エドはぷいっと顔を横に向ける。
しかし顔は横から見ても分かる程に耳まで真っ赤になっている。きっと彼にとってさっきのセリフが精一杯おねだりなのだろう。
ロイは指を抜くと一気にエドの中に張り詰めた自身を突き入れた。

「ッ…急に、入れ…んなよ…」

「君が欲しいと言ったんだろ?動くよ…?」

動かなければ直ぐにでもイってしまいそうな締め付けをグッと堪えて、エドがこくんと頷くと同時に腰を動かし始めた。

「あっ…ふぁ‥んっ…」


動く度にエドから出る甘い声。
ロイはその声に酔っているかのように更に腰を激しく動かした。

「もっ、イ…くっ」

「私もだ…一緒にイこう…」

ロイはぎりぎりまで自身を引き抜き、エドの中を貫くかのように腰を沈めた。
エドは外へと、ロイはエドの内部へと欲望を吐き出す。
ずるりと自身を引き抜いたロイの汗ばんだ背中にエドは腕を回した。

「大佐…好きなら別れようなんて二度と言うなよ…」

「あぁ…君を手放すような事は二度としないさ」

二人からは自然と笑みがこぼれ、暖かい空気が部屋を包み込んだ。


一緒にいる事も苦しいかもしれない

だけど別れる事も苦しい

それならば一緒にいる事を選ぼう…

どんなに苦しくても二人でなら乗り切れる筈だから……

二人なら得られる事も沢山ある筈だから…

一緒に進もう…
明日という未来に――――




FIN

ゆきな様のみフリーです。



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