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オレの
居場所は
どこにある………?
ノックをすればいつもと同じように入れと返事が返ってくる。
ドアを開けてよっ!と手を上げれば、部屋の主は久しぶりだねと微笑みを向けてくれた。
「はい、報告書」
報告書を渡せば部屋の主…ロイはパラパラと捲って目を通し始めた。
「今回も派手に暴れたようだね」
「相変わらず地獄耳だなー…」
報告書を出さずとも自分の行動を知られている事に嫌そうな顔を作れば、君の行動が派手なだけだと軽く返されてしまった。
「……何かあったのか?」
ロイはそう言いながらエドの頬に手を充てる。
エドはビクリと肩を揺らした。
「別に何も無いけど?」
「それなら何故そんなに辛そうなんだ?心が……」
何でこの人はこんなにオレが分かるんだ。普段と同じように接していたのに…
「鋼の…?」
「不安…なんだ……」
エドは俯いたまま話を続ける。
ロイは無言のままエドの言葉を聞いていた。
「今度こそと思って行っても結果は空振り…オレ達‥本当に戻れるのかな……」
このまま賢者の石を探し続けて、この右腕と左足に血が通う事が…アルの笑顔が見れる時がくるのだろうか。
「では諦めるのかね?私は止めはしないよ。決めるのは君達自身だ」
同情するのでも応援するのでも無いその言葉。
エドはギュッと手を握り締めた。
「諦めない。アルと誓ったんだ。一緒に元の体に戻るんだって…」
「それなら前に進む事だな…少しでも可能性がある限り」
ロイは椅子から立ち上がった。
俯いているエドの視界に近づいてくるロイの足が入ったと同時に、頭に優しく乗せられた手の重みが伝わってくる。
「しかし辛くなった時はいつでも帰って来るといい。その時は君の背負っているものを受け止めるから…」
また元気に前に進めるように…
笑顔で旅立てるように…
頭から伝わってくる暖かい温もり。
オレの視界は歪んでいて大佐の顔は見えなかったけど、オレに向けられている視線も暖かく感じた。
「ありがとう…」
「君の居場所はここにある…そして私の居場所はーーー」
ーーーオレの居場所はここにある
そしてオレが貴方の居場所になりますようにーーー
Fin
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