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「あっ……ん…ふ……」


今日もオレは


「んぁ…っ……あぁ…」


無意味な行為を繰り返す








最初のきっかけは大佐からの誘いだった。

「鋼の、私と寝てみないかね?」

その言葉の意味が分からない程、オレはガキじゃない。
大佐にとってはただの興味本意とか、性欲処理とかだったと思う。
分かっててオレは首を縦に振った。

「それでは今夜ここで待ってるよ」

別に命令されてる訳ではない。脅されてる訳でもない。
逃げようと思えば簡単に出来た。
だけどオレは大佐に会う為足を動かす。

「待っていたよ。おいで、鋼の…」

優しく微笑む大佐。
優しく触れる大佐。
激しく求めてくる大佐。
何を考え、何をオレと被せているのかは知らないけど、大佐とのこの時間はとても暖かかった。
だから何度も何度も行為を重ねる。

「んっ……あ…た、いさ……ぁ…」

体を重ねる度に言ってしまいたくなる。
大佐の事が好きなんだって。
だけど、叶わぬ恋だと決まっているなら、言って今の関係を崩したくはない。
せめて体だけでも側にいたいから…

「あ、あぁぁ……」

悲鳴に似た喘ぎ声と共に、オレは意識を飛ばした。

「鋼の……」

汗で張り付いた髪を指で横へと流す。
生意気で大人びていて強い輝きを放つ瞳は、瞼の奥に隠されて見る事はできない。
穏やかな寝顔はとても幸せそうで、それが更に私の心を締め付けた。

「好きだよ、エドワード…」

誰も聞いていないその声が、部屋の中に虚しく響く。
元通りに服を整え、額に一つキスを落とした。




無意味な行為を繰り返す

体だけでも側にいたいと思うから

今日も私は

愛を求める……





Fin

空月様のみフリーです。


あきゅろす。
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