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novel
枯草の雨を待て2†
「簡単な任務を2、3片付けて来るだけだぁ!もう余計な騒ぎは起こさねぇって約束も付けてやる!」
「黙れカス」
 真摯な訴えすらもあっさり却下されて、元来短気なスクアーロはぐわっと苛立ちを顕わにした。
「こんのクソボス!とっとと良いって言いやがれ!」
 駄々をこねる子供のような態度に、眼前でザンザスのこめかみがぴきりと引きつる。
 はっと気付いた時にはもう遅かった。ローテーブルに置かれていた水差しが手に取られるや否や、思い切り横っ面へと叩きつけられる。
 衝撃がこめかみを直撃しガシャンという音と共に水差しは無惨に砕け散りただのガラス片と化した。零れた水がぼたぼたと髪を濡らし、顎を伝って首筋へと落ちていく。
「ぐっ…」
 目を閉じぐらぐらと視界の揺れる衝撃に耐えていると、ザンザスの立ち上がる気配がしてぐいっと髪を引っ張られた。
 最近何故かこうして髪を引っ掴まれることが多い。あの誓いを立てた後伸ばし始めた髪は前より少し長くなっていて、ザンザスの指に絡めやすいのだろうか。
 痛む頭皮を庇いながら見ると、どうやら行き先は執務室に隣接したザンザスの寝室らしかった。


 重い荷物を投げ捨てるようにベッドの上に放り出される。
「ぶふっ!」
 ぼふっと思い切り顔面から突っ込んだが、柔らかい反動を感じただけで痛みはない。しかしスクアーロは反射的に痛ぇ!と喚いて自分に覆いかぶさろうとする影に片足を振り上げた。
「にしやがんだてめえ!」
 相手の腹を蹴り上げるにはベストポジションだが、その相手が相手なので一瞬ためらう。
 スクアーロが迷った隙をついてザンザスは振り上げられた脚を掴み思い切り左右に開いた。そのままずりずりと引き摺って腰を寄せ、閉じられないよう両脚の間に身体を挟ませられる。
「う゛おっ!」
 ようやく焦った声を出したスクアーロを鼻先で笑い、ザンザスはベルトの金具に手を掛けて一気に引き抜いた。それを両手首に巻き付けられ、ぎりぎりと容赦なく縛り上げられる。
 痛みに歪んだ表情を一瞥し、ザンザスは気に入らなければ即絞め殺すつもりで右手をスクアーロの首に掛けた。
「最後の慈悲だ、てめーに選ばせてやる。ボロキレみてえに犯されてからかっ消されるのと、犯されたままじわじわ炎に焼かれて逝くのと、どっちがいい」
「う゛お゛ぉい!どっちも大してかわんねぇじゃねぇか!」
「なら今すぐ死にやがれ」
「ちょ待っ!」
 力を込めると同時にぶわっと燃え上がった憤怒の炎がちりりと首の皮膚を焼く。さすがのスクアーロもこれにはざっと顔色を変えて抵抗し始めた。
「ぐあっ!」
 灼熱の炎が頬の表面を舐め、熱さと痛みに顔を背けて必死にもがく。
 息も絶え絶えに暴れる様を存分に堪能してから、ザンザスはようやく炎を収めてやった。ただし掴んだ首を締める力は緩むどころか少しずつ増していく。
「がっ…あ…!」
「カスが」
 だらりと開いた口端から飲み込めなくなった涎が溢れ、ザンザスはふんと吐き捨ててからスクアーロの両脚の中心を容赦なく鷲掴みにした。
「っつ!」
 反射的にびくんと腰を跳ね上げると、吐息で嘲笑う声が聞こえる。
 硬い布地の上から無理矢理性感を高めるように煽られると、身体の奥からじわじわと熱いものが湧き上がってきた。
 握った手の中でそれを感じ取ったのか、ザンザスがニタリと口端を歪めて首を絞める手にさらに力を込めてくる。
「ぐ、あ…ぁ…」
 苦痛と快楽を別の場所から同時に植えつけられ、意識が混濁する。
 苦しいのか気持ちいいのか自分でも分からない。気を抜いたら今にも意識が吹っ飛びそうなのに、ギリギリまで追い詰められる快感を逃したくなくて、縋るように腰を突き上げてしまう。
「腰が揺れてるぜ、淫乱カスザメ」
 目敏く指摘されても反論は出来ない。ザンザスの顔を睨みつけたまま浅い呼吸を重ねて、スクアーロは寒気に似た快感に身を任せた。
「…あ!」
 瞬く間に頂点まで追い上げられて、下肢にじわりと熱いものが広がる。
 情けなさに涙を滲ませたスクアーロの表情に満足したのか、欲情を吐き出すと同時にザンザスが首を締め上げていた手の力を抜いた。
「ごほっ!げ、がはっ…!」
「カスが」
 ひゅうひゅうと鳴る喉を唾液で潤しながら、スクアーロは悔しげに男の顔を睨み上げた。
 両手はがっちり縛られているし、脚の間にザンザスの身体があるのでもう腹を蹴ってやることも出来ない。クソっ、と心の中で悪態を吐いてギリリと奥歯を噛み締める。
 こうなったらもう、ザンザスの気が済むまで耐え続けるしかないのだ。痛みと、苦しみと、底なしに与えられる快感に。
「やるならとっととやりやがれ!」
「言われなくともそうするぜ。オレの施しを拒否したのはてめーだ」
「なにが施し…だぁっ!」
 下着ごと隊服を剥ぎ取られて濡れた下肢をあらわにされる。
 用があるのは下の孔だけだと言わんばかりに、上着はボタンすら外してもらえない。ぐいっと両膝を折られて腰を持ち上げられると、襟元が締まって少しきつかった。
 炎の名残で熱いザンザスの指先がまだ閉じている襞をなぞる。試すように指を1本差し込まれると、乾いた肌が擦れて襞が引き攣れた。
「い゛ぃっ!てめえ、せめて濡らしてから…」
「咥えろ」
 言い終わる前にチッと舌打ちされ、引き抜かれた指を今度は3本まとめて口の中に突っ込まれる。
 喉奥にぶつかって反射的に吐き気が込み上げたが、ここで嫌がったら一切慣らされぬまま無理矢理突っ込まれるに決まっている。
「んっ、は…ふ」
 口端から溢れる唾液を飲み込むことも出来ず、たっぷり絡ませてザンザスの指を濡らしていく。節の硬い関節をくすぐるように愛撫すると、その従順な態度が気に入ったのかザンザスが反対の手でスクアーロの中心を弄び始めた。
「あ、ぐっ…ぁ…」
 再び反応し始めていたそこがひくりと震えて嬉しげに蜜を零す。はしたなさを罰するように先端の孔をぐりぐりとこじ開けられると、ますます溢れ出した先走りが肉茎を伝い奥でひっそり眠っていた双珠までもが淫らな蜜に塗れた。
「おい、勝手に休んでんじゃねぇ、ドカス」
 いつの間にか舌は動きを止め、見下ろしたスクアーロは心地良さにうっとりと目を閉じてはっはっと浅い息を吐き出すだけになっている。
 赤く熟れた唇の隙間からちろちろと躍る舌先が見え、ザンザスは誘われるようにスクアーロの下唇に噛み付いた。
「んぁっ…」
 そのままキスされるかも知れないと思ったのは一瞬で、すぐに離れていった唇を名残惜しげに視線で追いかけていると、さっき自分で濡らしたザンザスの指が3本まとめて一気に中へと押し込まれた。
「ぐあぁっ!」


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