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novel
猩々緋の背を燃やせ1†


「…う゛ぉ……あっ、や…っ!」
 ずんと奥まで突き入れられて、スクアーロはぶるりと身を震わせた。
「誰が勝手に休んでいいといった」
 捧げるように掲げていた腰から力が抜ける。開いていろと言われて尻朶に伸ばしていた手もだらりとシーツの上に落ちた。
「も、無理だぁ……」
「オレはまだイってねえ」
「ひぃ゛っ!」
 何度も搾り取られてすっかり萎えた自身を、ただ追い上げるために扱かれる。擦れて赤味を増すばかりの花茎を捨て、敏感な先端だけをぐりぐりと押し潰されると、そこがひくりと切なげに震えて勃ち上がる。哀しい男の性に情けなくて涙が滲んだ。
「んっ、あっ……はっ…ぁっ…」
 もう抵抗する気力もなく揺さぶられるままになっていると、好き勝手に暴れていたザンザスの動きが追い上げるようなものに変わった。そろそろ絶頂が近いらしい。
「あっ、あっ、あっ……っ、……ああっ!」
 無理やり引きずられるように同じ階を駆け上がり、ぴゅくっとしるしばかりの白濁を零す。
 達した瞬間に色っぽく掠れた男の吐息が耳朶をかすめて、繋がっていた腰が砕けた。どくどくと脈打つたび注ぎ込まれる熱情に爪の先まで染みるような快感が走る。
 最後の一滴まで吐き出すよう小刻みに攪拌されて、ずるりと引き抜かれた後もわななきが止まらなくなった。
「…はぁ……はぁ……」
 湿ったシーツに身を寄せると、散々吐き出した二人分の液体が腹にねっとりとまとわりついて気持ち悪い。が、かといってしばらくは指一本動かせそうにもない。どうせ前も後ろもぐちゃぐちゃなんだしと自分に言い聞かせてスクアーロはだらりとベッドに身体を伸ばした。
 ちらりと傍らの男を見上げると、ザンザスはさっさと後始末を終えて立ち上がるところだった。まだ荒い呼吸を零しているスクアーロに対して息一つ乱していないのが腹立たしい。
「なぁ、ボスさんよぉ…」
 ベッドに伏せたまま、スクアーロはザンザスに呼びかけた。返事はあまり期待していなかったが、めんどくさそうに「あ?」と答える声が聞こえて少し気分が良くなった。
「なんでオレなんか抱くんだぁ?」
「ああ?突っ込まれて散々よがり狂ってたてめえが、今更なに言ってやがる。淫乱ザメ」
 オレの抱き方に不満でもあるのかと、つりあがったザンザスの視線が痛い。男の前に晒した自分の痴態がまざまざと蘇ってきて、スクアーロはう゛ぅと唸った。
「そりゃそぉだけどよぉ…」
 傍若無人で傲岸不遜でドS鬼畜以外の何物でもないザンザスの抱き方を悦んで受け入れているのは自身の身体だ。慣らされてしまったといえばそれまでだが、今では男の指で乱暴に抜き差しされるだけで一度も前に触らずともイける。
「オレが言ってんのはそういうことじゃねぇ。別に男のオレなんか相手にしなくたって、お前に抱かれたい女はたくさんいるだろうって話だ」
 過去に何があったとしても、実際この男はあのボンゴレファミリー9代目の息子なのだ。
 関わりを持ちたいとすり寄ってくる同盟ファミリーは数多いるだろうし、整った容姿と危険な香りにつられる馬鹿な女は多い。
 わざわざ男の自分なんか相手にする必要はないはずだった。
「オレは女より抱き心地悪ぃし、揉める乳もねぇぞ」
 それに、子供だって、孕んでやることはできない。
「まぁ突っ込んで出す孔はあるけどなぁ」
 わざと下卑た表現を使って自分を貶めると、胸の奥がきりっと痛んだ。自分でも予想外の反応に内心驚いたが、一瞬だったので表情には出さずにすんだ。
「ふん」
 スクアーロの微妙な変化を感じ取ったのかどうか。ザンザスがくだらねぇとばかりに鼻で笑った。
「オレはただの孔に用はねぇ」
「う゛お゛ぉい。どういう意味だそれぇ」
「そこらの女みてえに、突っ込んで出すだけの孔はもう飽きた」
 あまりの言い草に、さすがのスクアーロも一瞬声が出なかった。
「おまえ、それは言い過ぎだろ…」
 呆れた顔でザンザスを見返すスクアーロの身体に、男が無造作に手を伸ばす。
「う゛ぁっ!」
 一気に2本の指を差し込まれたそこは、さっきまでの弄虐のせいでまだ完全に閉じきっておらず、かき回される度にぐちゅぐちゅと淫猥な音を奏でた。
「あっ、あっ……はっ、ふ…」
 ベッドにくずおれていた腰が自分の意志を無視して浮き上がっていく。もっと深く突き入れて欲しくて、スクアーロはねだるように腰をくねらせた。
「ハッ、ドカスが」
「んあっ!」
 たった指先2本で引き出した淫らな反応を嘲笑い、ザンザスがあっさり指を引き抜いてしまう。
「な、んで…」
 突然放り出された意味が分からず、スクアーロは無意識に縋るような瞳で肩越しに男を振り返った。
「欲しかったらてめーでしてろ」
「っ!」
 カッと火を付けられたように羞恥で顔が焼ける。こんのクソボスが!と口の中で罵ってスクアーロは仕方なく自身に手を伸ばした。
「おい、カス」
「あ゛ぁっ?」
 ほんの数回擦ったところで男の声が掛かる。今度はなんだ、と苛立って見ると、ロックグラスを手にしたザンザスがソファに腰掛けてこちらを見る視線とかち合う。
 紅い瞳に射抜かれたように、握った自身がどくりと脈打った。
「見せろ」
「…はあ゛っ!?」


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あきゅろす。
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