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novel
gelati/ザンスク前提ギャグ


「あ゛ーぢぃー…」
 占領したカウチの背に肘を上げ、脚を投げ出してだらりと天井を仰ぐ。
 銜えた銀のスプーンを歯の間でカチカチ鳴らしていると、トレイを手に戻ってきたルッスーリアに眉を顰められた。
「ちょっとスク、お行儀悪いわよ。ベルちゃんが真似するじゃない」
 あ゛?と流した視線の先では、ヴァリアーきっての天才兼悪ガキ小僧が、手付かずのまま放置されていたレヴィのジェラートと、早くも空になった自分の皿とを入れ替えているところだ。
「あらベルちゃん、レヴィは?」
「なんか部下に呼び出し食らって出てったぜ」
 まぁそうなの、とだけ返したルッスーリアもベルの行動には見て見ぬ振りをしている。クックッと喉奥で笑って、スクアーロは自身の食べかけのジェラートを引き寄せた。
 スプーンの先で淡いクリーム色をつつくと、爽やかな甘味と冷たさが清涼感をもたらしてくれる。
「はい、ボスにはアイスコーヒーね」
 声のする方を盗み見れば、この暑さに汗一つ見せない暴君も意外なほど素直にグラスを受け取っていた。
 平気そうな顔して実はやせ我慢か?と思わずにはいられなくて、ついニヤリと緩む口元を隠せなくなる。但しそれを見られるのは非常にマズイので、掬い上げたジェラートを口に突っ込みごまかすことにした。
「なぁ、スクアーロのってバニラ?」
 いつの間にかベルが側まで寄って来ていた。手に持っている皿は既に空っぽだ。もうレヴィの分まで食べ終わったのか、と驚きに軽く目を見張りつつスクアーロは自身の皿を掲げて見せた。
「食うかぁ?」
「ん」
「あーん」
「…マジで?」
「なにがだ?」
「べつにー。んじゃ遠慮なく」
「どうだ?」
「なにこれ、全然甘くないじゃん」
「オレにはこのくらいがちょうどいいんだぁ」
「ふーん。でさ、スクアーロはオレにこんなことして大丈夫なわけ?」
「は?」
「いくら暑さで判断力が鈍ってるからって、今のは致命傷だと思うけど」
「なんの話だぁ?」
「…スクちゃん、あなたって子は…」
 振り向くと、何故かルッスーリアが入口の扉に身を隠し、ハンカチで目元を押さえている。
「言っとくけどオレは確認取ったから。いいって言ったのスクアーロだし」
 早口にまくし立てつつ、ベルもいそいそと部屋を出ていこうとしていた。
「てめぇら一体なんの話だぁ!」
「バイバイ、スクアーロ」
「生きてたらまた会いましょ」
「う゛お゛ぉい!わけわかんねぇぞ!…って、ボス?」
 ゆらりと揺らめく殺気を背後に感じ、スクアーロはカウチに首を預けたまま逆さまにザンザスの顔を見上げた。
「なんでこんなクソ暑いのに炎なんか出してんだぁ?あ、まさかお前もジェラートが欲しかったんじゃねぇだろうな」
 どろどろに溶けかけたジェラートの皿を突き出し、スクアーロは臆することなくザンザスに言った。
「ほら、あーん」
 ぶちりと何かが切れるような音がしてザンザスの顔が殺戮モードに切り替わったのを見たのが最後。
 そこから先、スクアーロの記憶はない。


またこのオチなんだぜっ☆キラッ



あーんに夢を抱いてるボスはなんかもうイロイロ駄目だと思う。(笑)


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あきゅろす。
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