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novel
telepatia/ザンスクっぽい


「あ、ボスだ」
「てめぇらここで何をしてる」
「んー、マーモンのスクアーロいびり?」
「違うって言ってるだろベル。ボス、一応誤解のないように言っとくけど、スクアーロには幻覚プログラムの実験に付き合って貰ってるだけだから」
「カスが戦ってるのは…てめぇか」
「そ、オレの幻覚。マーモンのやつ酷いんだぜ?王子の戦闘データだけ取っといて、出演料も寄越さねーの」
「面白そうだからって勝手に志願してきたのは君じゃないか。ボランティアに払う金なんて論外だね」
「チェッ。まぁいいけど。これはこれで十分楽しぃ…しっ!」
「あっ!やめろって言ってるだろ、今実験中なんだから」
「別に平気じゃん。幻覚のナイフに一本や二本ホンモノが混じってたって。スクアーロの奴も完璧に避けてるし。ムカつくけど」
「だからそういう問題じゃないってさっきから、」
「ベル」
「ん?なに、ボス」


 ヒュッと空間が薄く裂ける。幻覚に紛れて繰り返される攻撃は完全にお遊びのそればかりで、いい加減相手をするのも面倒になった。
 背後から的確に頸動脈を狙ったナイフを切っ先で叩き落とす。後に続く幻覚の攻撃が止んでから、スクアーロは叫んだ。
「う゛お゛ぉい!ベルてめぇ!いい加減にしろぉ!」
 振り向いた視線の先で、ベルが一人でニヤニヤと笑っている。城の地下を丸ごとくり抜いて造られた訓練場は壁上方に一部バルコニーを設置し、場内を自由に見下ろすことが出来るようになっていた。マーモンの姿は見えないが、実験装置の結果でも見に行ったのだろう。
「うしし、なんだよ、スクアーロ」
「ボスに変なもんやるんじゃねぇ!最後の一本投げたのあいつだろうが!」
「あれ?なんでオレじゃないって分かった?」
 先刻ザンザスが立っていた場所はちょうどバルコニーの陰にあたり、スクアーロの位置からは見えていなかったはずだ。
 ボス、気配もちゃんと消してたよな、と首を捻るベルにスクアーロは呆れたような視線を投げた。
「馬鹿かてめぇは!んなもん隠しても、あいつがそこいればオレには分かる!」
「うわ真顔で言ったよコイツもしかして実はレヴィ?」
「そこで僕を見ないでくれるかい、ベル。スクアーロ、実験は終了だよ」
 戻ってきたマーモンにおーと片手を上げてみせ、スクアーロが訓練場の入口へと向かう。それを見送りながら、ベルは手の中でクルクルとナイフを玩んだ。
「なぁマーモン、あの色ボケ殺っちゃっていい?」
「気持ちは分からなくもないけどね。スクアーロにしては陳腐なセリフが聞けたから、僕は満足さ」
「んーで、ボスはボスで、こんなとこまで一体何しにきたわけ?」
「さぁ。誰かを捜しに来たのに気付きもしないから腹が立った、ってとこだとは思うけど」
 真実は神のみぞ知るさ、と続けてマーモンは小さく溜息をついた。


Fine.



子供は意外と大人に気を遣っている。

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あきゅろす。
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