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丸井ブン太
もう絶対に離さない


『じゃあね、"丸井くん"』

「あ、おい!名前!!」


今日、俺は2年間付き合っていた彼女に振られた。


理由は、俺が他の女からの差し入れをもらっていたから。


でもよ、せっかく作ってくれたものを食べねぇのってもったいねぇと思わねぇ?


けど、それで名前を失うくらいなら……もう、絶対に貰わねぇ。


「っくそ!」

「荒れてるのぅ」

「っ!?仁王、見てたのか?」

「たまたま、通りかかったんじゃ」

「………」

「どうするんじゃ?」

「どうって……」

「追いかけんのか」

「俺は……」

「迷うようなら、別れて正解じゃよ」

「…………」



次の日、学校に行ったら俺が振られたという話が全校に広まっていた。


「丸井くん!元気出して?」

「丸井君を振るなんてサイテーね」


俺のファンたちが、名前を見ながら言った。


その言葉に、俺はついカッとしちまった。


「名前を悪く言うな!!俺が振られたのは俺がしっかりと名前を大切にしなかったからだよぃ」

『ブン太……』

「名前、俺はお前が好きだ!これからはお前以外からの差し入れはもらわない。だから、もう一度俺と付き合ってくれぃ!!」

『……ごめん、少し考える時間が欲しい』

「分かった。いくらでも待つ……けど、いい返事しか聞かねぇからな」



それから、数週間が経った。名前からの返事はまだ来ない。


「ブン太。いつまで彼女のことを引きずるつもりだい?」

「幸村くん……悪い。でも、俺はあいつのことが好きなんだ。この気持ちだけは絶対に変わらねぇ」

「だからといって、部活に気が入らないようではレギュラーから外されるぞ」

「………俺は、名前が戻ってきてくれるならそれでもいい」

「本気なんだね」

「ああ」


名前は、俺が生まれて初めてマジに好きになった女なんだ。


名前を失うくらいなら、俺は……


『ブン太!』

「名前!!」

『ブン太、返事遅れてゴメン。あれからいろいろ考えたんだけど、私もブン太が好き。大好き!」

「名前……ホントか?」

『うん^^こんな嘘言ってもなんにもならないでしょ?』

「名前!もう、ぜってぇ離さねぇからな?」

『うん。私も、ブン太からもう絶対に離れない^^』



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