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死を視つめる娘
勿忘草
ただ白くも灰色が混ざった場所にいた、身動きできず感覚ベットに縛られた状態だ。
色んな材料が煮詰められた治療薬の香りがはなをくすぐる。

しかしそれももう匂うことなく、無音の世界だった。

そしてこれは なんだと気づく。

うっかり階段を間違えて滑って下へ激突、
どんな魔法でも砕けた頭は治せない。


そばに誰かがやってくる、紫の入った黒髪のどこかお父様に似た雰囲気で全く違う雰囲気の女性。

そしてその眼は私と同じ紫。


『お母様... ?』


目の前の女性は目を丸くさせて、ゆっくりと頷く。


《私はあなたのそばにいつだっていたわ、
もう一緒にいられない》

女性、お母様は私の頭を撫で、手を握ってきた。

お父様とは違った温かいその手は徐々に私の手から離れる。

《これから本当にあなたは産まれるのよ。》

まだお母様の残り香が香る場所にいたい、

しかしここはあまりにも冷たくて死は怖くて。


私は母に別れを告げた。


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あきゅろす。
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