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未来視の姉 運命は変わらない
向日葵
1926年 12月 31日

2つの命(私達)は母の命を犠牲に産まれた、

母は2人が自分に似ていないことを
安心したように事切れたらしい。

弟の名前は母が今際の時に途切れ途切れに名付け、

孤児院にやって来たシスターが私をクラニアと名付けた。

少し羨ましいけれども同じ歳でも
先に産まれた姉の私を、トムはニコニコ笑顔で
「ねえさま」と呼ぶのでそんな羨ましさも無くなっていた。


トムと私が2人だけの不思議な魔法を使えるようになったのは7歳の時だ、

欲の深いブクブクと太ったおじさんが

孤児院にやって来たときのこと、

...この人にもらわれてはいけない。

小さかった私達でも察しがついた、
だから硬すぎるボロボロのベットの上で
ボロボロの毛布に2人包まり、

具合が悪いと2人でやり過ごそうとしたのだけれど、
おじさんはニヤニヤしながら毛布を剥がし
私の腕を掴み

頭のてっぺんから爪先までジィッと見つめてニタニタと笑うと。

「いやっ...」

噛み締めて我慢していた口が解け、声をあげると

トムの目が仄かに赤く染まったのと同時に、おじさんはまるで静電気にあったようによろめき私を放した。


瞬間に私の目と脳にあと何秒間に

トムはおじさんに殴られると伝わった

咄嗟に

小さくても私はおじさんの拳からトムを庇う、頭が揺さぶられる衝撃。

...

「トム、喧嘩しちゃったのね?」
『ビリーが』

ビリーは経営者の親戚の子で孤児院の近くに住んでいて、

冷やかしのようにやって来てはいろんな子に親自慢をしていたりするのだ。

体の大きな子には自慢はしない。

『姉様のことが好きだから親に頼んで養子にしたいって』

この次の言葉は

「私はずっとトムの双子の姉よ。」

『姉様...』

トムは他の子と馴染めない、

トムの落ち着きが他の子に何かに触れるのだろうか?

その翌朝にビリーの飼っているウサギが
木に首吊り自殺のようにぶら下がっていた。


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