未来視の姉 運命は変わらない
マーガレット
私は自分の予知は出来なかった、その点について知っていたはずなのに。
私はトムを救おうと今となっては残酷な約束をしてしまった。
詠唱より早すぎる弾丸は私の体を貫いていった。
彼は走る、本屋から出た途端に通行人が喋っていた恐ろしい言葉たちを頼りに。
ー雪で滑りかけてもいい
"孤児院前で誤射が"
"紫っぽい髪の女の人が倒れていた"
私は倒れこむ、
2発目を受けてしまい動けなくなった。
私を撃った人は私にむかって間違えたなんて言いどこかへ去った。
ああトム、本当に本当に───
ごめんなさい
「クラニア」
彼はようやくクラニアを見つけてしまった。
白い雪に黒くなっていく血を散らした蒼白な
たった1人の片割れを、片割れのクラニアを。
可哀想にと呟き続ける野次馬(マグルたち)に殺意が湧いた、
それよりクラニアの手を握る。
「クラニア...姉様...クラニア 」
冷たく硬くなっていたその手は、
クラニアはとっくに死んでいたのだと分からせる。
「クラニア...!!!! うァあああああああああ!!!! 」
彼は叫んだ
冷たく硬くなっている警察が来る前にクラニアを抱きかかえ、
どこかへ...。
運命は彼を"正しく"導いたのだ。
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