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未来視の姉 運命は変わらない
ヘリオトロープ
(冷たい床を2人座って、ぴったり寄り添って話す2人。

自分たちの狭くて広い世界に害をなす人なんていらない!
2人だけが使える魔法を考えては話し合っていた。
黒髪も、瞳も、顔も似ていた。)




『トム、今日はいたずらしないほうがいいわ!』

姉様はいつも勘がよかった、
だから僕が不慮の事故に遭うことは一度もなかった。

だけど姉様は自分の身は勘で守れずにボロボロになっていたときがあった。

『やっちゃったわ。』

なんて苦笑いしながら笑っていた。

...姉様は僕の片割れの双子だ、
僕らを産んで死んだ母の代わりに母のように手を繋いで一緒に寝たり、
同い年で同じ時に生まれたというのに。

僕はスリザリン、そして姉様はレイブンクローだった。

僕がそのことで姉様に突っかかってしまっても
姉様は焦ることなく

『私たちは双子だからどこへ行ってしまっても、一緒よ。』

と反論できない笑顔を見せて、
レイブンクローの寮を抜けてきてはなるべく僕が1人にならないよう居てくれた。

姉様は不自然など無関係な優しさと賢さと美しさを男女関係なく惹かれさせていった。

僕はある時、姉様の気を引き止める為、
同じ寮の女子(勿論純血の)と付き合ってみることにした。

付き合っていると姉様に伝えると跳ねながら自分のことのかのように喜んでいた、

それは独占欲を滲ませている自分からの解放感か?
それとも本当に喜んでいるのか?


ーー女子を帰らした後に、姉様は口を開いた

『あの子を...女の子を困らせちゃだめよ?』

それが何の意味か真意はわからずじまいだが、
当時の僕は勘のいい姉様は既に僕の行為に気づいていたのだと解釈した。

そのあとすぐに女子と別れ、

姉様をもっともっと独り占めにした、

姉様も僕のことが好きだと、愛しているといつも微笑みを浮かべていた。

魂を分ける分霊箱について伝えると駄目だと、
一緒に年老いて死のうと姉様は初めて僕の為に泣きながら止めてくれた。

「それなら一緒に分霊箱を作ろう、姉様。」

『私は弱いの、果敢な勇気も、強い意志さえないわ。』

姉様は初めて弱いところを見せてくれた、

卒業したら、どこか人がいない場所に静かに暮らそう。と提案すると

また元どおりに笑顔で『トム』と返してくれた。

2人で狭くても広い世界で静かに...





姉様が死んだ 孤児院に戻った帰りに

姉様は人違いで殺された
マグルが作った銃で
マグルが作った銃弾で
マグルが放った殺意に貫かれ
呆気なく死んでしまった。


(運命は変われど同じ)

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