long部屋
I find a difference4:松小
無理だ、俺は絶対に無理だ
やめろ、やめてくれ、今すぐ止めてくれ
こんなのっ、あんまりじゃないのか
っっ、もう・・・・ダメ
「うおあああああああああああああっっ」
「市・・・これ好き」
好きという意味が分からん。
ただ恐怖があるだけだろ。何であんな高いところから落ちなきゃならねぇんだ。
絶対のらねえ。遊園地にこれほど凶悪なものがあるとは。訴えられてもいいほどだ。
小十郎が回復し、市の希望により、3人はジェットコースターに乗ったのだが、またしても体力を根こそぎ持って行かれた小十郎だった。
「のいてくれないか、降りれないのだが」
「わ、わりぃ・・・///」
松永に言われて初めて気付いた。知らずのうちに松永に抱きついていたようで、小十郎は真っ赤になりながら手をのける。
「市・・・もう一回乗りたい」
「ふむ、なら並ぶか」
「ふざけんな、俺は乗らねえぞ」
「情けないものだな、あれくらいで悲鳴を上げるとは・・・ましてや抱きつくなど」
「うるせぇ!しょうがねぇだろっ」
「まぁ、卿に抱きつかれるのは悪くないな」
「お、俺が抱きつくなんてもうこれっきりだ!!」
二人が言い争いをしているうちに、市はすでに並んでいたようで・・・
「この子の保護者はいませんかーー」
と従業員に呼ばれてしまい、仕方なく乗ることになったのだった。
そして、もうこれっきりだと言っていた宣言は跡かたもなく崩れた小十郎であった。
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「疲れた・・・・・・・」
夕方になり、もうすぐ閉館時間だ。
散々乗り物に乗り、付き合わされたため、精神的に疲れていた。
「ゴメンなさい。全部・・・市のせい」
そんな小十郎を見て、市がボソリとつぶやいた。
「そんなことねぇよ、子供はわがまま言うのが仕事だろ」
そうだ、どんなにこちらが疲れったって、子供が悪いわけではない。
クシャリと頭を撫でながら小十郎が撫でた。そんな小十郎に市も心を許したようで、キュッと小十郎の小指を握ったのだった。
「最後だし、なんか乗りたいものあるか?」
ジャットコースターは少し考えものだがな、と思いながら市に問いかけると、
「あれ・・・」
市は観覧車を指差した。
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「綺麗・・・」
「あぁ、そうだな」
「見事なものだ」
ゆっくりと地上から遠ざかっていく。
それに従って、小さく広範囲に見える光景。
夕日の光にキラキラと反射した町は思わず息をつめるほどの絶景だ。
「・・・また来たい」
「あぁ、今度はこんなおっさんじゃなくて、好きな人と一緒に来な」
「 様・・・」
ボソリとつぶやいた市の言葉は真っ赤な夕日に飲み込まれるように消えていった。
赤・・・・・・ね
夕日は炎を連想させる。
「 が った」
何でこんな時にだけあの言葉が浮かぶんだろうな・・・。
・・・・・・いや、こんな時だから、か。
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「ちゃんと面倒見ててくれたのね、ありがとう」
「いや、こっちもやること無くて困ってたんだ、別に面倒じゃなかったぜ」
遊園地を出た後、松永と別れ小十郎は市を会社の方へ届けに来たのだった。
「市!!」
「長政様・・・」
「楽しかったか?」
「・・・うん・・・今度は長政様も行こう?」
「そうだな!あ、今から正義の勇者正義仮面が悪の組織を退治する場面だ!行くぞ市!!」
「うん・・・」
幸せそうな子供二人を見届けた後、小十郎は自宅へ向かった。
俺は今日休日だったはずだ
体の節々が痛む。
だが、先ほどの笑顔を思い出して、まぁ、いいか。と微笑しながらため息をついた。
マンションから大きなトラックが発車していくのが見えた。
引っ越しか?
そう思いながら、エレベーターで上まで登り、自分の部屋のドアノブへと手をかける。
((ガチャッ))
キーをまわす音が重なる。
ゆっくりと横を見ると
先ほど遊園地で分かれたはずの男が隣の部屋に入ろうとしていた。
「なっ、なっ・・・っっ」
驚きで口がパクパクと魚のように閉開している小十郎。
「おや、奇遇だね」
この状況を奇遇だけで済ませるほど頭の作りが出来ていない小十郎は、やっと声を出す。
「な、んでっ・・・!!?」
「今日引っ越したのだよ。ここの方が通勤も便利でね」
よろしく頼むよ、お隣同士な
その言葉に少しめまいを覚えた小十郎であった。
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前回の時点で引っ越しまで持ってくる予定だったのに・・・。
さぁ、松永さん引っ越してきました!!
引っ越し日に遊園地っておかしいんじゃないか!とか思った方ももいらっしゃると思うのですがは、ゆっくり目をそらしてください(土下座)
さて、次回・・・
伊達カンパニーの日々や、松永警察官の日々入れたいな・・・とか思いつつ、そこらへんの知識がないorz orz
このまま話進めると後2話ぐらいで終わる予定だが・・・。
ん〜、どうしよう。皆の日々入れようか、入れまいか(悩)
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