long部屋
I find a difference3:松小
「何 で こ う な っ た」
「私が知るわけなかろう」
何で・・・何で
俺、松永と遊園地に来てんだよ!!!??
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時は遡って、3日前
「Hey小十郎!」
「何ですか、政宗様」
若くしてこの大企業の社長となった政宗。
前社長、輝宗のころから軌道に乗り始めたこの会社を若い政宗が取り仕切るのは大変だろう。
小十郎は政宗様のお役に立てれば、そう考えていた。
「お前に休みをやる!!!」
「い、今、何と?」
いきなり政宗の口から飛び出した言葉にかたまる小十郎。
「だから、休みやるっていってんだよ」
「何でまた急に・・・」
いや、休みを貰えるのは嬉しい。最近始めた家庭菜園の事を勉強したい。
だが、休みが欲しいなどと自分は言ったことがないのに政宗様からそんなことを言い出すのは珍しい。
「いやぁな、ちょっとお前にも息抜きさせてやろうかと・・・」
「ありがたいですが、そんな「決算も終わったしそんなに忙しい時期じゃねぇ、もらっときな」
(前、痴漢がどうとかつぶやいてたしな、コイツに休養やっとかねぇと)
どうやら政宗は前遅刻した理由を聞いた時から、少し働かせすぎか?と思っているらしい。
「それでは・・・ありがたく」
確かに今は忙しくない、むしろ何もなさすぎて暇をもてあましているくらいだ。
「あぁ、そうそう。このチケットやるよ。俺使わねえしな。誰かと・・・あ、お前がこの前資料見つけておいてくれた人とでもお礼として行ったらどうだ?」
「は、はぁ」
松永と?
「ってわけで、政宗様のご厚意を裏切るわけにはいかねぇし・・・行くか?」
「まぁ、休日は随時暇だからな」
結局松永を誘いに行った小十郎だった。
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「で、何で遊園地」
「知らん、卿から渡されたチケットにここと書いてあったのだ」
政宗様・・・何故遊園地なのです。この小十郎がこんな場所に遊びに行くと御思いですか。
そ、それより今は、この状況だ。
遊園地に遊びに来たおっさん二人
ガンガンガンガン
「何そしているのかね?」
「うるせぇ、今の状況がありえなさすぎて心頭滅却中だ」
柵に頭をぶつけてもどうにもならない。
「しかし・・・
遊園地に来るのは初めてだな」
「んだよ、お前来たことね・・・・・・」
言葉を返そうとして気付いた。
そういえば自分も遊園地に来たことは一回もない。
話に聞いたりするだけで、遊びに来たことは一度も・・・。
「あなた達・・・」
思いにふけっていると、突如背後から眼鏡をかけたキリッとした顔の女性が現れた。
「伊達の秘書と、松永久秀が二人で何をしてるの?」
「お前は織田のところのっ」
「ほぅ・・・」
現れた女性は織田株式会社の秘書兼妻を務める濃姫だった。
「で、何をしているの?」
そんなのこっちが教えてほしいわ。
「同時に怪訝な顔をされても困るわ・・・まぁいい。ちょっと頼みたいことがあるの」
松永が何故知りあいなのか知らねえが、織田といえば、全国に進出しはじめた巨大企業。関係を損ねるとこはしたくない。
「この子、預かってくれない?私、上総介様に呼ばれてすぐ行かないといけなくなったから」
私の友達の子だからちゃんと見てるのよ!!
そう言って、美貌に振り返る男どもを無視しながら去って行った。
残されたのは松永と小十郎と幼い女の子
「ますますわけがわからん状態になった」
ポツリと小十郎がつぶやいたのであった。
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「おい、嬢ちゃん何歳だ?名前は?」
「・・・・・・・」
漆黒の黒髪に、薄い唇。大人になれば美人になるであろう。
「・・・・・・・・・・・・・」
「あ〜・・・」
どうも子供の相手は苦手だ。というより寄り付かないだけだが。
「ふむ・・・幼いな。名前はなんというのかね?」
「・・・・・・・・・市」
「市、か。何歳だ?」
「・・・・・・・・・5歳」
「そうか、けっこうだ」
・・・なんかムカつく。
何で松永の質問には答えるんだよ。あれか?やっぱり一応警察だからか?迷子とか助けたことあるからか?
一人で思いを巡らせて百面相をしている小十郎を市が不思議そうに眺める。
「さて、ここで止まっていても何もならないな。入るかね」
「お、おいっっ!」
市の手を引き遊園地にスタスタと入っていく松永。
その姿はまさに父親という感じだ。
・・・畜生っ、一瞬でも似合ってんな、なんて思った俺はアホか!!!
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「っっ・・・・!!!!!」
「市、楽しい」
何が楽しいだ馬鹿野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
「何でそんなに息があってんだよ、テメェラ」
「そうか?可愛いものではないか」
チューチューとジュースを飲んでいる市。確かに可愛いものではある。
だが、散々乗り物に付き合わされて小十郎は疲れ切っていた。
「市・・・もう一回アレ乗りたい」
「マジ・・・か」
市がさしたのはクルクルと回るコーヒーカップだ。
先ほど乗ったのだが、市はありえないほど高速でまわしだした。
あまり認めたくないが、小十郎は酔ってしまったため、店で休憩をとっているのだった。
「いいさ、卿はここで休んでいまえ。さぁ、行くか?」
松永はコクンとうなずいた市とともに、コーヒーカップの方へ向って言った。
「何でアイツら酔わないんだよ」
せっかくの休みに何でこんなに疲れなきゃいけないんだ。
フーッと息をついて、真っ蒼な空を見上げた。
正直、前世の記憶などどうでもよかった。前世は前世現在は現在だからだ。
時代が変われば立場が変わる。
「・・・俺は、何してんだろうな」
いまだに捕らわれている
前世に・・・
前世の記憶など普通の人は持っていないのだ。
今更何も変わらない・・・
あの日は、今日とは対照的に真っ赤な空だった
今日の真っ蒼な空があの時との違いをはっきりと示しているようだ。
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お、おぉwwwww
なんとかシリアスで終われたぞww(自分でも奇跡だ)←←
しかし、次回は再びギャグが帰ってくる予感です←←
市と松永の組み合わせも好きです^^
いやぁ、しかし、5歳市ちゃんと松永様がクルクルコーヒーに乗っている姿を思い浮かべ、自分で噴いたwwww←
純粋におもろいぞwwww
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