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笑うかのこ様〜恋だの愛だの
罰ゲーム(前編)
(111111HITキリリク:智呂さまへ『美少女に変装したかのこと周り(椿・富中メンバー・椿姉)の反応』)


罰ゲーム。
それは読んで字のごとく、様々なゲームにおいて不本意な成績を取ってしまった参加者に対して課せられるペナルティのことである。(※ウィキ調べ)

ゲームに参加してしまった時点から、参加者はある意味平等なリスクを背負うことになる。
ようは全員「罰ゲーム」なるものが存在することを知っているのであり、最下位の成績を取ってから異議を申し立てても、それはもう遅いのである。
もし、「異議あり!!」などとその場で叫んでみたとしよう。
そんなことをすれば瞬く間に、その人はKYの国の住人と化してしまうだろう。
その場を空気を壊す不届き者として白い目で見られるか、本来よりもよほど酷い罰を受けることになること請け合いなのである。

だからこそ対象者はその場の空気を壊さないよう、決して反論することなく、殊勝な態度で問題に取り組まなければならないのだ。


運が勝敗を分けたこのゲームの王者は、桃ちゃんだった。
桃ちゃんは少しだけ困ったように周囲に視線を巡らせると、意を決したように小さく頷いて、天使のような頬笑みで告げたのだ。


「おめかししたかのちゃんと、町中を歩きたいな」


語尾にハートがくっついたような弾んだ声。
大親友の可愛らしいおねだりに否を唱えられる筈も無く――
この、とても罰とはいえない罰ゲームの内容に、私はただただ引き攣る口元に無理矢理笑みを浮かべ、諾と頷くほかなかったのである。


*****

【IN椿家】

とても手作りとは思えない程凝った衣装の数々は、なんと桃ちゃんのお手製である。
「かのちゃんにはフリルたっぷりよりもシンプルな方が似合うと思って」と語る彼女の瞳はキラキラと輝いていて、直視できないほど眩しかった。

頭の上からつま先まで、一切の隙を許さず揃えられた何とも豪華な罰ゲーム道具の数々は、何故か椿君の協力の元に桃ちゃんとの共同制作で完成されたらしい。
(二人、いつの間にそんな仲良くなったの?)
実際に「おめかししたかのちゃん」の内容を聞くのは恐ろしかったので当日までは現物(衣装)を見ないことに決めたのだが、ついにこの日が来てしまった。

ごくり、と唾を飲み込んで、恐る恐る指を伸ばす。
ピンポーン♪と軽快な音で鳴り響くインターフォンの音とほぼ同時に開かれた扉の向こう側には――

「おー、思ったより早かったな。さ、早く中入れよ」

上機嫌すぎて逆に不気味な椿君がいた。
そう、私と桃ちゃんは、「苗床のメイクは俺がやる!」と言って譲らなかった椿君の要望により、椿君のお宅へお邪魔することになったのだった。


つづく!!

●中書き1
111111HITキリリクです。
すみません、思わず続きものになってしまいました(汗)
全3話くらいになると思います。
叶美お姉さまの口調や性格、反応を模索中につき、ここで区切ります。







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あきゅろす。
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