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花見(かまGURA+雨チン)

「こうして桜見るなんて何年ぶりかしら」
「俺は初めてだ」

なかなか粋なものだ、と独特の声で言ったあとに目を細め杯の酒を少量喉へと流し込む。

「こんな肉色のどこが綺麗なんだか俺にゃあわからんね」
「あらひねくれてるのね雨水」
「この淡い桃色がいいのだろう、儚く散る様もまた一興」

春の風に長い髪を揺らしながら答えるは黒賭博のボスともいえるかまら。桜を見上げるその表情(かお)は恍惚としているようにも見える。

「ま、俺ぁ酒が呑めんのなら夜桜にも付き合いますよ」
「夜桜とはなかなか面白いことを言う。それは前から興味があった」
「GURAが興味、ねえ?」
「以前チンチロから話を聞きまして」
「なら行くか」

かまらはGURAさんの顔の横すれすれまで近づき耳元で囁いた。
今夜二人きりで。

「雨水桜も見なさいよ」
「見てるって。…綺麗だなァ」
「ほんとかしら?」
「ああ、チンチロ、よく桜が似合う」
「ふふ、ありがとう。酔ってないくせによく言うわ?」

赤面するGURAさんと、苦笑いを浮かべる雨水を抜いた二人はそれぞれにクスクス笑う。

短い春の日
今宵の桜は誰のために咲く!



fin.

黒賭博はみんな仲良し。

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