!注意! マルコだけが海軍です。 パラレルになりますので苦手な方は進まないように。 「もー…。いつになったらエースさんとサッチさんに勝てるんだろ…。これじゃあいつまで経っても二人のパシリだ…」 「おいガキ」 「え?――っわ!」 「どこ見て歩いてやがる。危ねェだろうが!」 「す、すみません!ごめんなさい、ごめんなさい!」 「ったく。これだからガキは……」 「すみません…。………ハァ…」 「おい、大丈夫かい?」 「え?」 「子供が荷物転がしてんのに、この街の奴らは誰も手伝ってくれねェんだな」 「……あ、あの…」 「そっち、踏まれるよい」 「わわっ!よかった、これ踏まれたら殴られるとこだった…」 「ほら、こっちのは全部拾ったよい」 「すみません、ありがとうございます!」 「にしても凄い量の荷物だな…。一人で持てんのかい?」 「重たいですけど、持てないことはないです」 「ほー…。酒にタバコに…って、おいおいお前さん、子供のくせにこりゃあダメだろい」 「違います。俺じゃなく、兄達が…」 「本当かい?」 「はい。俺はどっちかって言うと苦手なほうで…」 「……そうかい。本人が言うならそうなんだろうねェ。ほら、こっち持つよい」 「え?でも、あの……」 「俺はマルコ。お前さんは?」 「…俺はアキです。あのマルコさん、」 「重てェだろい。持ってってやるから道案内してくれるかい?」 「…っありがとうございます!」 ▼ 「今まで街の人に優しくしてもらったことがないんで、すっごく嬉しいです」 「俺は性分だからな。アキはこの街の子供じゃねェのかい?」 「はい。兄達と一緒に船で旅をしてるんです。あ、兄達と言っても血は繋がってないんですけどね」 「へー…」 「海賊に両親と仲間を殺されて、それで…。ちょっと厳しい兄達もいるんですけど、オヤジ殿も他の兄達も優しくて毎日が楽しいんです!」 「そうかい。そりゃあよかったな」 「はいっ」 「……また海賊か…」 「え?」 「海賊はそこにいるってだけで罪だい。こんな子供にまで…」 「マルコさん?あの、海賊の中にもいい海賊はいますよ?」 「何言ってんだいアキ。海賊に“いい”も“悪い”もあるかよい」 「でも…」 「おーい、アキー」 「あ、エースさんだ!マルコさん、あれがちょっと厳しい兄の一人、エースさんです」 「………火拳の…!」 「ゲッ!マジかよ…!アキ、そいつから離れろ!」 「エースさん?」 「そいつ海軍だ!海軍“本部”中将の不死鳥マルコ!」 「え!?」 「まさかアキが白ひげ一味だったとは…」 「うわああああ!」 「アキッ!」 「逃がさねェよい!」 「海軍テメェ!ガキにまで手ェ出すとは落ちぶれたもんだな!」 「うるせェよい。子供でも海賊なのは海賊だい。アキ、残念だよい。まさかお前が海賊だったとは…」 「…マルコさん、……お、俺を捕まえるんですか…?」 (耳と尾を下げ、プルプル震える犬に見えるマルコ) 「……しっかりしろい!」(自分の頬を殴る) 「か、覚悟はしていましたがまさかこうもアッサリ捕まるなんて…。エースさん、俺に構わず逃げて下さい!」 「バカ言ってんじゃねェ!今助けるからジッとしてろ!」 「おい火拳の、そこから一歩でも動いてみろい。アキの首が吹っ飛ぶよい」 「テメェ!」 「おおおお俺の首吹っ飛ばすんですか!?」 「グッ…!」(軽く良心が痛む) 「最低だぞ海軍!しかも女の子相手に!」 「女!?」 「俺、女です…。でも女相手でもマルコさんは首を吹っ飛ばすんですよね…?こ、怖いけど……痛くないようにお願いしますね…!」 「アキッ!」 「エースさん、俺、もう……オヤジ殿に「お世話になりました」って伝えて下さいね」 「誰がそんなこと伝えるか!いいからジッとしてろ!」 「マルコさん。俺の首は渡すんで、エースさんは見逃して下さい。俺の大事な家族なんですッ!」 「ふざけんな!ガキに守ってもらっても嬉しくねェよ!」 (アキを解放するマルコ) 「……あれ?」 「俺はアキの両親を殺した最低な海賊じゃねェよい」 「マルコさん?」 「今日は休みで仕事の気分じゃねェ。見逃してやるからさっさと逃げろい」 「おお、いい奴だなお前!アキ、行くぞ」 「はい…。あの、マルコさん…」 「早く行けよい」 「俺、海軍は怖いけど、マルコさんは優しいから好きです!ありがとうございます!」 「……アキ」 「はい?」 「海賊は辞めて海軍にならねェかい?」 「は?」 「大事な末っ子を勧誘すんじゃねェ!」 (結果) 海軍になってもアキに甘かったら(しかも勧誘したら)いい。 [*前へ][次へ#] |