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これが日常風景

「あー、暇だ!暇すぎる!だから海賊ってイヤなんだよ!」


今日も暇すぎる一日を過ごしている。
海賊だから船の上にいることは絶対だと思う。思うが、何もすることねェとかなんの?


「あー…何で海賊になったんだろ…」
「何だよ名前。オヤジが嫌いになったのか?」
「いや、海賊って結構暇人なんだなって思って」
「元々お前の風が便利で入団させてやっただけだい。それ以外のお前に価値はねェよい」
「今日も鳥の辛口は絶好調だな」
「テメェ限定だがな」


あのクソ鳥、いつか焼き鳥にして食ってやる!
つか、暇だからって何で野郎三人と談笑しなきゃいけねェんだよ!
ちょっと前の俺だったら新しい島に遊びに行ったり、美味しいもの食ったりしてた。それに、


「こちらと三日か二日に一回のペースでウハウハしてたのに、海賊になってから何が悲しくて利き手と宜しくしねェといけねェんだよ!」


これ!もー、マジ無理!女の子に会いたい!女の子に触りたい!


「知ってるか名前」
「何だよサッチ!女の子紹介してくれんのか!?」
「利き手じゃないほうでシたらぎこちなさが出てなかなか気持ちいいぞ」
「誰もそんなこと聞いてねェよ!でも今晩やってみるね!」
「するのかよ」
「だってエースくん!俺ほんと下半身が爆発しそうなんだよ!?おいクソ鳥、真顔で俺の息子を見るな!」
「してみせろい」
「テメェが爆発しろ!」


はー……暇だ…。
つかパイナップルの近くにいたらすっげェイライラしてくんですけど!
あいつ俺のこと嫌いなのに何でいっつも一緒にいんだよ、勘弁してくれよ。


「いや、いい暇つぶし道具があって助かるよい」
「俺はテメェのオモチャか」
「いや、ただのゴミ」
「ダメだ、マジで手が滑ってマルコの髪の毛らしきパイナップルの草の部分を切り落としそう。サッチ、俺がそうしないようパイナップル持ってきて!ストレス発散用に計二つな!」
「もう止めろって」


あーあ、エースはいいよな。昼間寝ても夜寝れて。俺無理。昼寝したら夜寝れなくなる。
サッチは趣味の料理本見たり、新しい料理とか考えたり、とにかく楽しそうだ。
パイナップルも本読んでやがる。知的アピールか、ん?どうせ三歩歩いたら忘れんだろ。


「暇だー…」
「うるせェなテメェは」
「誰もパイナップルに話しかけてねェよい」
「バカにしてんのかい。そうかい。しょうがねェ、構ってやるから泣いて喜べ」
「は?どうせ暴言吐くだけだろ?イライラするだけだから却下。鳥の求愛ダンスなら見てやる。踊ってみせろ。笑ってやるから」
「なに、大したことじゃねェよい。ただお前のことを色々知りたくてな」


本を閉じ、いつもは絶対見せない穏やかな表情を俺に向けた。
……な、何だよ気持ち悪いな…。
しかも今更?俺ことに興味持ってくれるのは嬉しいが、ほんと今更すぎるんですけど。


「まァいい。なんだよ、何でも答えてやるぜ!」
「生きてて…辛いですか?」
「そんな質問すんなよ!」


フッと俺と諭すように笑って、優しい声で質問してきたのはすっげェくだらないことだった。
なんなのコイツ!そんな質問されて俺が答えると思ったのか!?


「じゃあ…。殴ってもいいですか?」
「ちょ待っ…なんか違くね!?」


俺のこと知りたいんじゃなかったの!?


「もういい!止めろ!」
「人の優しさを無駄にするのかい?」
「どこに優しさがあった?もう一度言う。どこのセリフに優しさがあった?!」
「俺がお前に構ってやるってこと自体」
「頭だけじゃなく心までハゲちまえ」
「お前には負けるよい」
「俺フッサフサじゃん!どこに目ェついギャ!」


立ち上がってパイナップルの胸倉を掴んでやろうとしたら、後ろから剣が飛んできて、脳天に突き刺さった。
油断してたとは言え、風人間の俺じゃなかったら即死してるよ!?
でも今のはちょっと痛かった!誰だよ犯人は!


「おー、悪ィな名前ー」
「ハルタかよ!お前ちょっとは気をつけッグ…!」
「悪い名前。大丈夫か?」
「イゾウの旦那様…!」


今度はイゾウの旦那の銃弾が身体を通り過ぎた。
い、痛い…。苦しい、泣きたい、何で俺ばっか…!


「アッハッハッハ!やっぱ名前が苦しんでる姿見てると笑いが止まんねェよい!」
「テメェは鬼か…!」
「マルコが大笑いしたところ久しぶりに見たな…。でもちょっとは心配してやれよ。さすがに今の不幸連続は可哀想だぞ?」
「……しょうがねェ。おい、大丈夫かい?」
「って言いながら小指踏みつけんなよ!地味痛い!」
「ほら、あれだよい。お茶目」
「お茶目、だと…?今のどこに茶目っ気があった!?説明してみろよこの南国パイナップルが!」
「悪口は止めろよい。俺、お前に比べて打たれ弱いんだい」
「海楼石並に固いハートの持ち主が何言ってやがる!」


堪忍袋の緒が切れ、風を巻き起こしてパイナップルを吹っ飛ばすも、すぐに鳥に変身して優雅に空を飛ぶ。
くっそー…俺の風が全くきかねェ!


「いでッ!」
「あ、悪いエース!でもちょっと待て、今は「テメェ名前!人が気持ちよく寝てたのに何しやがる!くらえ!」


空で見下してくるやる気のない目をした鳥をどう落としてやろうか考えていると、エースに神火・不知火で攻撃された!
おまっ、悪いって謝ったじゃん!
………いやいや、それより風巻き起こしてるときに火ィ使うなって!


「火の嵐で俺が焼けるだろうが!ギャアアアア!」
「バカの丸焼きが完成したよい。サッチ、食えねェから海に捨てとけよい」
「ハァ…。あいつも懲りねェな…」





「ギャグで質問5題」「ドSな人で10題」よりいくつか抜粋。
雲の空耳と独り言+α様より

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