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他愛もない会話2

「ふわあああ…。ねみィ…。よー、エース」
「おい名前、野郎の乳首なんざ見たくねェ。ちゃんと着ろ。隠せ」
「あ?おお、わりィな…」


眉間にシワを寄せ、再び食事に戻ったエース。
仲間のほとんどが街に出かけているから、朝飯をゆっくり食えるのはかなり珍しい。
俺もエースの隣に腰を降ろし、少し冷めた飯を口に入れる。うむ、今日も飯がうまい!
って、


「半裸のテメェに言われたかねェよ!」
「…………確かに!」
「ちょ、きたねェ!飯を飛ばすな!」


つーかさ、ずっと思ってたんだけどこの船半裸が多すぎだって。ちょっと間違えれば露出狂軍団になるぞ。
オヤジを筆頭に、ジョズ、ビスタ、エース…。マルコは着てるのか着てないのか中途半端野郎だけどな!
あとサッチはほんまもんの露出狂だ。宴をすれば一番に脱ぐ。ただのバカとも言う。
あ、逆にイゾウの旦那と王子は脱がないよな。


「食った食った!もう腹いっぱい」
「おいエース、お前今日何すんだ?」
「昨日船番だったし街に行ってくる。ハルタにいい飯屋教えてもらったから食ってくんだ」
「お前今さっき「腹いっぱい」って言ったじゃん…!」
「名前はサッチと一緒に船番だろ?」
「無視か。おう。サッチとじゃあ楽しくねェが、今日はゆっくり寝るさ」
「それがいい。ここずっと戦ってばっかだから今日ぐらいゆっくりしろ」
「じゃあ土産頼んだ!」
「じゃ!」
「また無視か!」


手ぶらで部屋を飛びだし、そして船から飛び降りる。
飯屋行くのに手ぶらはねェだろ…。もしかして食い逃げするつもりか?

それにしても静かだ。静かすぎる。普段がうるさすぎるもんな。
サッチを除いた隊長たちは全員街へ出かけている。オヤジもいねェ。
四番隊員しかいないってことは、安眠ができるってこと!


「どこで寝るかなァ〜」


やっぱ人気がない場所だよな。
いくら天敵(隊長たち)がいないからって油断は禁物だ。
特にマルコ。あいつは神出鬼没すぎる。


「おい名前ー。どこ行きやがったあのバカ」
「バカって言うなリーゼント」
「そこか。おい、酒飲もうぜ!」
「朝っぱらから!?っていうか昨日も飲んでなかったか?」
「二日酔いにはワインって言うだろ?」
「どこの国の言葉だ」


笑って取り出したワインとグラス。
つまみがねェぞ。って言うと、あっという間に作ってくれた。さすがだ。


「でも俺寝たい」
「お前の意見なんか聞いてねェ」
「でた、白ひげ海賊団名物「ザ・横暴」」
「オラ飲めッ!」
「解ったから!無理やり飲まそうとすんな!」


瓶をそのまま口に突っ込もうとしてくるもんだから、渋々付き合うことにした。
とは言っても、朝からはキツイので、つまみメインにチビチビ飲む。
サッチは水のようにゴクゴク飲んでっから、「大丈夫か?」って一応心配してみたが、


「うるせェ!いいから俺の裸を見ろ!」


奴は既に出来上がっていた。
二日酔いの分際で飲むからだ!


「止めろ!俺は野郎の裸に興味ねェ!」
「そう言いながらエースやマルコと仲がいいじゃねェか!」
「別に二人が半裸だから仲良くしてるってわけじゃねェよ!なにその基準!つーかマルコが好きとかねェよ!」
「そうなのか?」
「どこをどう見たらそう見えるのか俺は不思議でならない」
「俺ァてっきりマルコのことが好きなのかと…」
「ヒィイイイ恐ろしいこと言うな!やっば、鳥肌立ってきた…」
「おい足立てんなよ。見たくねェもんが見える」
「おお、すまんすまん」


座って飲んでいたが、何だか面倒になり横になる。
サッチみたいに飲むつもりもないし、飯もついさっき食ったばっかで腹いっぱい。眠い…。


「マルコと仲がいいって言われるぐらいだったら、サッチと仲がいいって言われたほうがいい」
「名前…。お前そんなに俺のことが好きなのかよ…。だが断る」
「おい!」
「男に好かれても嬉しくねェ。どうせなら美人に好かれたい!」
「それは俺もだ。例えばの話だろうがクソリーゼントが!」
「お、やんのか?ただの人間である俺にも勝てねェくせに!」
「酔っぱらいに負けるほど弱くねェよ!っておい、寝んなよ!」


起き上がって戦闘態勢に入った途端、サッチはイビキをかきはじめる。
なんなのコイツ!人を誘っておきながら寝るとか失礼すぎる!
……あ、でもそのおかげで俺も寝れるじゃん。よし寝よう。そろそろ限界だったんだよなー。
また横になって、空を仰ぐ。あー…気持ちいー…。





「ふぎゃ!」
「あ、悪い。見えなかった」
「……ッ…」


夢を見ないぐらい深い眠りに落ちていた。
それなのに強烈な痛みが腹部に走り、現実世界に強制帰還。
声が出ないほど痛い。久しぶりにきたぞこれ…。
で、犯人は誰かと顔をあげれば案の定、俺の天敵マルコ。


「テメェ…マルコ…!」
「ちゃんと船番しろい」
「だからって降りる場所を考えろ!」
「すまねェな」
「目を見て言え!」
「名前の目を見たら吐きだしちまうよい」
「失礼にもほどがあるぞゴラァ!」


腹部をさすりながら服を掴みにかかるが、マルコはしんどそうに目を反らし、「ッチ」と舌打ちをする。
おまっ…どんだけ俺のこと嫌いなの!?て言うかキャラ違いすぎだろ!(女主人公部屋のマルコに比べて)


「とにかく、仕事はちゃんとしたんだろうな?」
「してねェよ!」
「威張って言うことじゃねェよい。早くしろい。おいサッチ、テメェもだよい」
「いでっ!」


幸せそうな顔して眠るサッチの頭を蹴って起こす。
あいつ…本当に遠慮なしだな。これが隊長でいいのか?いつか職権乱用するんじゃないか?


「あ、俺の権限で名前は一番隊隊員に決めたよい」
「今使いやがった!職権乱用禁止いいいい!」
「決まったからには俺のことを、「マルコ隊長さん」もしくは「マルコ隊長様」と呼ぶように」
「解りました、パイナップルクソ隊長殿」
「テメェの大事な息子を踏み潰し、引き千切って海王類の餌にしてやろうかい?」
「想像しただけでイデェ!俺の大事な息子に何をする!」
「使わねェし構わねェだろい?」
「使ってますぅ。失礼なこと言うんじゃねェよパイナップル!」
「は?お前童貞じゃあ…」
「本気で殴るぞ。ここに入る前までちゃんと使ってましたー」
「………妄想?」
「いいえ、現実です」
「恋人がいたのかい?」
「いや、適当。フラフラしてたから」
「最悪だな。全世界の女に謝れ」
「お前は11個前の台詞を読んで俺に謝れ。最悪なのはテメェだ!」

「やっぱお前ら仲いいよな」
「「止めろ、鳥肌が立つ」」
「ほら」


楽しそうに笑うサッチを横に、俺とマルコは心底嫌そうな顔でお互いを見た。

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