!パラレル注意! 前回に引き続き、何故か子供時代のサッチとエースがやってきました。 子供時代の性格を捏造してます。 パラレルが苦手な方も先に進まないようにして下さい。 「というわけだ!」 「テメェも大事なとこ省くなよい」 先日、子供時代のマルコさん…マルコくんがやってきた。 見た目はそう変わらないけど、クールなマルコさんとは違い、マルコくんはとても元気いっぱいで、少し俺様。 気に入った仲間を見つけるとすぐに、 「俺の子分にしてやるよい!」 と満足そうにえばっている。 だけどそんなマルコくんも可愛い。 そして私は子分じゃなく、マルコくんの「女」らしい。 だからいっつもマルコくんと手を繋いで、何をするにも一緒に行動している。 それが気に食わないのがエースさん。何だか楽しくなさそう…。 そんな感じで一日が過ぎ、翌日サッチさんが一人の男の子を連れて私達の傍にやってきた。 サッチさんの足元には指をくわえ、いかにも気の弱そうな男の子が私達を見上げている。 マルコくんに続き、子供時代のサッチさん……サッチくんか。サッチくんがやって来たという。 「いやー…起きたらなんかいてよ。ビックリしたわ」 「マルコに続いてサッチもか…。つかあれだな。子供サッチは気ィ弱そうだな」 そう言ってサッチくんの前にしゃがむエースさん。 サッチくんはすぐにサッチさんの後ろに隠れて、少しだけ身体を震わせた。 ……サッチさんと違いすぎる!この子本当にサッチさんの子供時代!? マルコさんとエースさんも驚いて黙ったけど、サッチさんだけは笑っていた。 「悪いな、エース。子供の俺、人見知り激しくてよ」 「……どうやってこんな大人になったんだ?」 「色々あったんだよ」 苦笑するサッチさん。 サッチさんって普段おちゃらけてるけど、昔は苦労したのかな…?じゃないと気弱な子からこんな人にはならないよね? 少し尊敬の眼差しでサッチさんを見ると、サッチさんと目が合い、手を招く。 「悪い名前。ちょっと俺の面倒見てくんねェ?」 「俺がですか?でも…」 「おいお前!」 「っひ…!」 「男ならもっと堂々としろよい!」 「で、でもぼく…」 「おれがきたえてやるから覚悟しろい!」 私の隣にいたマルコくんが、ビクビクと震えているサッチくんを見て、いつものように俺様発言をした。 サッチくんは大きな声を出すマルコくんにさらに震え、いやいやとサッチさんのズボンをギュッと握りしめて離れようとしない。 「おいマルコ。あんま俺を虐めんなよ」 「虐めじゃねェよい。それに、今とそう変わりねェだろい?」 「うん、そうだね。あれ、なんか目頭が熱いんだけど何でかな?」 ……大人になってもこの上下関係は変わらないんだ…。 「名前、今日もしゅぎょーするよい!ほら、サッチも来いよい」 「ぼ、ぼくあんまり動くのは…」 「マルコくん、サッチくんは修行苦手みたいだよ?」 「じゃあどうやって強くなるんだい?」 「え?うーん…それは……」 「悪い名前。チビ俺頼んだ」 「名前、俺とエースも仕事があるから戻るよい」 「困ったらオヤジのとこに行けよー」 「え!?俺一人で二人を見るんですか!?」 「なんとかなるよい。チビ、名前困らせんなよい」 「うるせェ。早くどっか行け!」 「ほんとチビマルコって生意気だな」 「あんなもんだろい」 それだけ残して三人は仕事に戻ってしまった…。 マルコさんはマルコくんの扱いに慣れ過ぎ。まあ自分だし、そういうものなのかな? 三人を見送り、再びマルコくんとサッチくんを見ると、マルコくんがサッチくんの腕を強引に引っ張っていた。 きっと同じ年の子供がきて嬉しいんだ。だけどサッチくんは気弱いから…。 うーん、こういうときってどうすればいいんだろう? 「やだー!ぼくしゅぎょーなんてしたくない!」 「それでも男かよい!名前、手伝ってくれ!」 「……とりあえずマルコくんはサッチくんの手を離そうか」 そう言ってマルコくんの目をジッと見ると、渋々とサッチくんの腕を離してくれた。 サッチくんはすぐに私の後ろに隠れて、涙目でマルコくんを睨んでいる。あ、そこは強気なんだ。 「名前だってしゅぎょーしたいだろい?邪魔すんなよい!」 「でもまずは自己紹介からじゃない?」 「……。だな!おれはマルコ。こいつは俺の女の名前。お前は?」 「………ぼくはサッチ…。ぼく、しゅぎょーきらい…!」 ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、私の服を掴む。 ……可愛い。サッチさんが可愛い!弟ってこんな感じなんだ…!なんか抱きしめたくなる! 「じゃあお前何ができんだよい」 腕を組み、呆れながらマルコくんがサッチくんに聞くと、サッチくんは言葉を詰まらせ、モジモジした様子でさらに私の後ろに隠れた。 何か喋っているけど、小さすぎて聞き取ることができない。 そんなサッチくんにまたイライラしだすマルコくん…。 宥めるようにマルコくんに笑いかける私。 「…りょ、料理…、できる…」 「はあ?」 「おいしいもの作れる、よ…」 「サッチさん料理得意だもんね。もう作れるんだ、凄い!」 「へへ…!まだ作れるものはすくないけど、たくさん覚えるんだ!」 「きっとたくさん作れるようになるよ」 するとサッチくんは照れたように笑って、「ありがと、お姉ちゃん」って言いながら手を握りしめた。 か、可愛すぎる!サッチさん可愛い! 「おい!おれの女に手ェ出すなよい!」 私も握り返そうとしたら、マルコくんが割って入って引き離された。 私に抱きつき、サッチくんを睨みつけるとサッチくんはまた目に涙を浮かべ、「いたいよ…」「なんで…?」と呟く。 ダメ、ギュッ!って抱きしめてあげたくなる…!何でサッチさんなのにあんなに可愛いの!? 「名前もゆだんすんじゃねェよい!」 「ご、ごめんなさい…」 でもマルコくんの覇気にあてられ、ついつい謝ってしまった…。 気強いなァ…。今のマルコさんとは大違い。大人になるにつれ、丸くなっていったのかな? 「うわきは許さねェからな!」 「浮気ってほどじゃない気がするんだけど…」 「ダメったらダメだい!名前はおれのだい!」 必死なマルコくん。 それが必死すぎて、少し胸が痛んだ。 なんか…。子供の独占欲で私を縛ってるんじゃなく、こう…大事な人を失わないよう必死な感じがする。 うーん、言葉に表すのって難しい。でもそんな感じ。 「あのねマルコくん。俺はずっとマルコくんの傍にいるよ?」 「……」 「だって家族だもん。だから大丈夫だよ」 「…本当かい?」 「うん。それにサッチくんとも家族だよ。だからサッチくん、怖がらないで」 「……うん…」 「皆で仲良くしようよ。ね?」 「おう!」 「…うんっ」 二人の手を取り、笑うと二人も笑ってくれた。 うん、三人仲良くできそうだ! 「おーい名前ー」 「あ、エースさんだ。どうし………まさか…!」 「なんか俺のガキもきた!」 「なんだテメェ」 せっかく落ちついたと思った矢先のできごと。 向こうから走ってくるエースさんの足元には、目つきが悪い子供が一人…。 髪形はエースさんにそっくりだ。間違いないよ…! 「俺のガキも頼んだ!」 爽やかに笑うエースさんとは対照に、マルコくんは不機嫌そうに、サッチくんは泣きそうな顔でエースくんを見て、そのエースくんはこれでもかってぐらい二人を睨みつけていた。 これからどうなるの!? [*前へ][次へ#] |