!注意! パラレル注意です。 10年後の名前と現在の名前が入れ替わりました。 原作無視してます、すみません。 10年後でも白ひげ海賊団は誰も死なず、ほのぼの平和に過ごしてる設定です。 未来の色々な性格になった名前が来てから、少しの間が過ぎた。 サッチ、マルコ、イゾウと仲がいい人からの教育はどれもうまくいかず、喜ぶものがいれば悲しむものもいた。 そんな中、エースとハルタだけは頬を膨らませ、不機嫌な態度でイスに座っている。 「何で俺らの教育バージョンがこねェんだよ!」 「ひっでェよなァ…。俺らだって名前を可愛がってんのによー」 何故不機嫌かと言うと、彼らが教育した未来の名前が来ないのだ。 意地悪な兄だが、いつも名前の味方をするエースとハルタ。 時々厳しいことを言ったりもするが、どれも名前を思ってのこと。 こんなにたくさん可愛がって、いじめているのに来ない。 「俺らが育てたんなら絶対ェいい子なのにな!」 「おー。自信あるぞー!」 「普段過保護のマルコとイゾウに見せつけたい!」 「イゾーの驚いた顔見てェ!」 「だから頼む。未来の名前よ来い!」 「こーい!」 そんな簡単なことで来るとは思ってなかったが、翌日本当にやって来た。 いつもと同じように、朝の早いうちに甲板に一人歩いていた未来の名前。 それに一番に気がついたのは、今回の不寝番であるハルタ。 隊員達にエースとマルコを叩き起こすよう指示を出し、名前に近づく。 身長は現在より高くなっているが、まだこの船では一番小さい。 髪の毛はショートと、今までの名前とは違って子供っぽさを十分に残している容姿だった。 「あれ…?ハルタさんが若い?」 「お前名前だよなー?」 「はい。えっと…、部屋で寝てたんですけど…どうして?」 疑問ばかりの名前にハルタが説明をしてあげると、驚いていたが理解できたようだった。 「へー、色々な俺が来たんですね」 「大変だったんだぞー。ところでお前は誰の教育受けてんだァ?」 「んー…特にこれといって…。皆と仲良くしてますよ」 今度は自分かエースが教育した名前が来た!と内心ワクワクしていたハルタだったが、名前の言葉にがっくりと肩を落とした。 そんなハルタに気がついた名前が「どうしました?」と顔を覗き込む。 至近距離に驚いたハルタは慌てて名前から離れるが、慌てすぎて尻もちをついてしまった。 「だ、大丈夫ですか!?」 「近すぎんだよー!」 「俺のせいですか?え、…ごめんなさい」 子供の名前ともよく至近距離で顔を合わせることがある。 だけどこの名前が近づいたとき、自然と視線が口元にいってしまって、恥ずかしくなって離れた。 名前は悪くない。そう思ってもバクバクとうるさい心臓のせいで喋ることができないでいた。 「隊長、連れてきました!」 「ハルタ!今度はどんな名前だ!?」 「いい予感だけはしねェな…」 朝早くだと言うのにしっかり目を開けているエースとマルコ。 どっちも名前のことになれば真面目になる。 親バカと兄バカの登場に、名前は暗かった表情を明るくして二人に駆け寄って行く。 「マルコさんもエースさんも若い!」 まずはマルコに飛びつき、ギューと力を入れて抱きしめる。 勿論ちゃんと抱きとめたマルコだったが、布越しに当たる胸の感触にすぐ自分から離した。 「……」 「マルコさん?」 「抱きつく癖、なくなってねェのかい…?」 「えへー、マルコさんにいっつも注意されてるんですけど、つい忘れちゃうんです」 無邪気に笑う名前だが、マルコはいい顔をしなかった。 子供のうちは抱きついてきても大した問題ではない。可愛いもんだ。 しかし大人になれば話は別である。大人になった、胸が大きくなったなら慎みを持ってもらいたい。 そう小言を言おうとしたが、その前に名前がマルコから離れエースに抱きついていた。 「エースさんも若い!おじさんくさくない!」 「未来の俺、おっさんくさいのかよ!」 「格好いいおじさんになってますよ」 抱きついたまま見上げて笑う名前。 マルコ同様、布越しに名前の胸が当たって、そして顔が子供時代に比べて近くなったことに身体がギシリと止まる。 「エースー、生きてっかァ?」 ハルタの声に意識を取り戻す。 マルコみたいに自分から引き離すことはできず、不器用に笑いながら名前の肩に手を添えた。 「お、お前こういうのはしないほうがいいぞ…?」 「マルコさんもエースさんも同じこと言うんですね。でもこれでも減ったほうなんですよ」 一緒に寝よう。と誘わなくなった。 パンツを外に堂々と干さなくなった。 背中を流してあげるのも一週間に一回程度に控えてる。 抱きつくのだってこれでも頑張って減らしてます。 指折り数えながら誇らしげに言う名前を見て、三人はそれぞれ溜息をはいた。 「誰がこんな風に育てたんだい…」 わざと誘惑することも、男をイスにすることも、ドSでもない。 しかし、現在の名前がそのまま大きくなった今回の名前は純粋で天然。これが一番手ごわいかもしれない。 誰が育てたか突き止めるよう、マルコの質問に答えていると、誰がこんな風に育てたか解った。 「エース、ハルタ。今日から名前に近づくな」 「何だよ、俺らのせいか!?」 「マルコが育てるより全然マシだろー!?」 エースやハルタと遊ぶことが多く、行動を共にすることも多いという。 きっとそのせいだ。そう思ったマルコは二人を睨むも、兄二人からはブーイングの嵐。 自分が育てた名前があれだけに、それ以上は文句が言えなかった。 「マルコさん、俺ダメですか?」 「名前…」 どうやら一人称も昔のままらしく、それが余計子供っぽさを残している。 そのせいで現在の名前とかぶってしまい、強く言えない。(いや、元々マルコは名前に対して強く言えないが) ウルウルと目を潤ませて、マルコの腕に自分の腕を絡ませる。 胸の谷間にマルコの腕が丁度おさまり、「いっ!?」と驚きの声が出てしまった。 「うわー…俺あれは勘弁してもらいたいわ」 「サッチは喜ぶんだろうなー」 「いや、サッチには近づかねェだろ」 「だなー」 人ごとだと思って蚊帳の外で二人を見ていたエースとハルタだったが、固まってしまったマルコを見て、さらに涙目になった名前が二人に助けを求めるよう抱きついてきた。 「俺なんかしましたかっ…?!」 「と、とりあえず離れてくれ!」 「それとあんま泣くなよー!」 悪意があってもなくても大人になった名前は心臓に悪いな。と改めて実感したのだった。 ▼ エースとハルタバージョン。いいお兄ちゃん二人組です。 [*前へ][次へ#] |