!注意! パラレル注意です。 10年後の名前と現在の名前が入れ替わりました。 原作無視してます、すみません。 10年後でも白ひげ海賊団は誰も死なず、ほのぼの平和に過ごしてる設定です。 現在の名前が未来に行ったお話です。 見慣れた船だと言うのに、違和感があった。 少しの間何も考えることなく船内を歩き、確認するが、やっぱり何かがおかしい…。 それに今さっきまで一緒にいたナースのお姉ちゃん達がいない。 解らない恐怖に心臓がうるさく動き出すが、何をしていいか解らないので、とりあえず食堂へ向かうことにした。 あそこはいつの時間帯に行っても誰かいるから、ちょっと話を聞こう。マルコさんがいると嬉しいなー。 「あ、マルコさんだ!」 私の願いが叶ったのか、食堂にはマルコさんとエースさんがいた。 やっぱりちょっと違和感があったけど、二人の後ろ姿を見間違うはずがない! 二人の名前を呼びながら駆け足で近付くと、二人は肩を大きく揺らしてぎこちなく振り返った。 「―――名前がちいせェ!何で!?」 「……どう言うことだい?」 「二人が老けちゃった!?」 振り返った二人はもっと大人になってた! 驚いて足を止めると、なんかさらに大きくなったエースさんが私に近づいて、視線を合わせようしゃがむ。 「なんか昔の名前に戻ったみてェだな…」 「え、エースさんはもっと大人になりましたね…」 「だって俺もう二十代後半だぞ?」 「え!?」 「名前、水飲むかい?」 ハテナマークが飛び交う私を落ちつかせるために、マルコさんが水が入ったコップを渡してくれた。 受け取ってからゆっくり喉を潤し、一度深呼吸をする。 よく解らないけど、ここは私が今さっきまでいた船とは違うのかな…。 今の状況をマルコさんとエースさんに話すと、二人も首を捻って色々なことを考えてくれた。 「十年前の名前が来たってことでいいんじゃね?」 「そうだな」 その結果、十年後の世界に来た。という結論が出た。 まさか未来にくるなんて思ってもなかったよ…。グランドラインって不思議だ…。 「あー、やっぱこの頃の名前が一番可愛いな!」 「だな。もう今じゃ手が負えねェよい…」 エースさんに力強く抱きしめられ、グリグリ頭も撫でられる。く、苦しい…! 「エースさん、苦しいです…!」 「ああ悪ィ悪ィ!」 「それに俺子供じゃないです。だから抱っことか止めて下さい」 「この台詞も懐かしいぜ!この野郎!よく来てくれた!」 「だから苦しいですって!マルコさん、エースさんどうにかして下さい」 「エース、終わったら代わってくれ」 「おう!」 「マルコさん!?」 十分ギュッギュッされたあと、グリグリと頭も撫でられ、マルコさんに渡される。私はオモチャじゃないよ…! 「名前、名前ッ…!」 「あ、あの…」 エースさんとは違って、静かに抱きしめてくれるマルコさんだけど、なんか……凄く「必死」な感じが伝わってくる。 何に対して必死なのかは解らないけど、必死だ。 「マルコさん、ちょっと苦しいです」 「…」 「マルコさん?」 顔を私の肩に埋めているから見えないけど、マルコさん泣いてた。 肩も震えているし、多分泣いてる…。 困ってエースさんを見ると、エースさんも少し目を潤ませ鼻をすすっていた。 な、何でこれぐらいで? 「エースさん」 「ん、どうした?」 「未来の俺はどうなってますか?」 その質問をした瞬間、二人の動きが止まった。 何だろう、この沈黙…。もしかして私死んじゃったのかな!?だからマルコさん泣いてるのかな…! 「お、俺死んじゃったんですか!?」 「いっ、いや…。生きてる」 「死んでないんですか?」 「ピンピンしてる。ピンピンすぎてちょっと困ってる…」 「困ってる?」 「あー…なァマルコ、こういうの言っていいもんか?」 「ダメに決まってるだろい」 何を言っちゃダメなんだろう…。凄く気になる。気になるよ! 「俺何かおかしいことになってます?」 「いや。すっげェいい女になってるぞ」 「ほんと!?胸も大きいですか?」 「……」 「名前、あまり未来を知らないほうがいいよい」 「何でですか?」 「もしかしたら変わっちまうかもしれねェだろい?」 「でも…」 「焦らなくても名前はいい女になる。だからこのまま元気に、そしてサッチに二度と近づくことなく過ごせ。いいな」 「サッチさんに?」 「そうだ!名前、サッチには絶対近づくなよ!」 二人は鬼の形相で言ってきた。勢いに負けて頷くと、「よし」と二人は声を揃える。 「ところでどうやって過去に戻んだ?」 「俺、今さっきまでお姉ちゃん達と話してたんです。早く帰らないと心配する…」 「名前…。お前はほんといい子だな…!そうやって他人を思いやる気持ち、忘れんじゃねェよい。人の嫌がることはすんなよい…!」 「俺そんなことしませんよー…」 「サッチの奴は喜んでるけど、勘弁してもらいたいよな…」 「もー!今さっきから解らないことばっかで俺イヤです!未来のこと教えて下さい!」 「それより名前、腹減ってねェかい?それとも本を読むほうがいいかい?」 「うわ、すっげェ久しぶりにマルコの過保護見たぜ。それより名前、俺と遊ぼうぜ!一緒に寝るのもいいなー」 「誤魔化してる…。で、でも未来のマルコさんに本を読んでもらいたいし、エースさんと遊んで寝たいです」 帰る方法が解らないので、未来の皆に挨拶をしたあと、マルコさんに本を読んでもらって、エースさんと遊びました。 夜はじゃんけんに勝ったマルコさんと一緒に寝て、起きたらいつものベットの上でした。 あれは夢じゃない。いや、もしかしたら夢かもしれないけど、やけにリアルだった。 興奮するままにマルコさんの部屋に向かい、未来に行った!と伝えると、未来の名前が来たよい。と苦笑する。 「あのね、未来のマルコさんに本読んでもらって、皆と遊んだんですよ!皆大人になってたけど、変わらず優しかったです!オヤジ殿も元気でした!」 「そうかい、いい体験したな」 「マルコさんは未来の俺を見てどう思いましたか?未来のエースさんとマルコさんは教えてくれなかったんですよ、冷たいです」 口を尖らせてマルコさんに未来の私のことについて聞くと、未来のマルコさん同様渋った声を出す。 「いい女になってたよい」 「もっと詳しく聞きたいです!」 「それより、今日からサッチに近づくな。会話もするな。約束守れるかい?」 「……未来のマルコさんと同じこと言ってる…。そんなの無理ですよー」 「じゃあ一人でサッチのところに行くな、喋るな」 「何でそんなにサッチさんを警戒するんですか?」 「俺らの為だ。頼む」 「わ、解りました…」 両肩を掴んで少しの覇気を飛ばしながら言ってくるマルコさんに、さすがに頷くことしかできませんでした。 未来の私、どんな風になってたのかな…。気になる! ▼ 小悪魔バージョンの未来へ行ってきました。 [*前へ][次へ#] |