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妹育成ゲーム!その2

!注意!
パラレル注意です。
10年後の名前と現在の名前が入れ替わりました。
原作無視してます、すみません。
10年後でも白ひげ海賊団は誰も死なず、ほのぼの平和に過ごしてる設定です。





「マルコさん、おやすみなさい!」
「おやすみ。明日も頑張ろうな」
「はいっ」


夜だと言うのに元気よく手を振る名前に、片手をあげて答えてから名前の部屋(ナースと共同)の前で別れた。
先日、未来の名前と今の名前が入れ替わる珍事件が起きた。
未来からきた名前は自分が想像してなかった「小悪魔名前」になっており、マルコだけじゃなくイゾウやエースも驚きを隠せないでいた。
唯一その状況を喜んでいた、楽しんでいたのはサッチのみ。
きっとあれはサッチが教育したから。俺じゃない。
そう言い聞かせ、ショックを和らげる。
一日を過ごし、翌日になると子供の名前が帰ってきた。
勿論すぐに抱きしめて確認し、一生サッチに近づかないよう口を酸っぱく注意する。
イゾウもエースもマルコに賛同し、今日は二人っきりで過ごした。
ああ、やっぱり純粋な名前は可愛い。できればこのまま…、いや…。自分好みに育ってくれたらどれだけ幸せか。
服を脱いでからベットに潜りこみ、目を軽く閉じるとあっという間に深い闇がマルコを襲った。


「マルコおおおおお!」


けたたましい足音と、朝だというのに元気な声にマルコは肩を震わせて起き上がった。
エースほど朝が苦手ではないが、まだ眠い。まだ起きる時間じゃない。
もう一度目を閉じるも、ドンドン!と力強く扉を叩いてくる客に、重たい身体を起こして「何だよい」と怒りの感情をこめて聞いてみた。


「名前が…!名前が…ッ!」
「―――名前がどうかしたのかい!?」


名前のことになると眠気もすっかり飛び去り、扉を開ける。
扉を叩いてたのはエースだった。
確かエースは今回の不寝番。だからこんな朝早く起きているのか。
焦る片隅で一つの疑問が勝手に解決した。


「とりあえず甲板!甲板に来てくれ!」
「解った」


適当に投げていた服を羽織り、エースと一緒に甲板へと走り出す。
向かっている途中、「名前が甲板で倒れているのか?」「もしかしたら海王類に襲われたのか?」「それとももっと酷いことが…」などと、悪いことばかり想像してしまったマルコの顔面から血の気が引いた。
しかし、甲板では別の意味で悪いことがマルコとエースを待ち受けていたのだった。


「マルコさん、おはようございます」


柔らかい笑みを浮かべているのは、先日やって来た名前とはまた少し雰囲気が違う大人の名前。
前回の刺激的な恰好ではなく、マルコに似た海賊らしい服装。でも女性らしい恰好に身を包んでいる。
そうか、また来たのか。とエースを見ると、すでにエースは隣におらず、名前の横に立っていた。
よくよく名前を見ると、何かがおかしい。


「……な、何やってんだい名前!」


エースと同じく不寝番をしていた二番隊隊員の背中に座っているではないか。
あまりの自然な光景に、突っ込むの遅くなったマルコ。
急いで名前に近づき、名前の腕を引っ張って立たせると、「あ…」と名残惜しそうな声をもらす。


「名前ッ、お前…!エース、いったいどういうことだい!?」


朝だからまだ頭の回転が遅い。
この状況を一番理解しているエースに説明するよう促すと、名前に座られていた隊員に手を差し伸べながら喋り出す。
簡単に説明すると、いきなり甲板に知らない女が来たかと思ったら、隊員達を素手で組み敷き、イスにさせていった。らしい…。


「なんかマルコさん若いですね。でも相変わらず格好いいです」


マルコに無邪気に抱きつく名前は、先ほどまで隊員達をイスにしていたようには見えない。
先日来た名前とは違い、この名前は子供の名前が残っている。そう感じマルコは片手で頭を撫でながら、甲板を見回す。
甲板には目を回した隊員達があちらこちらに倒れており、エースに理由を聞くと「名前に投げ飛ばされた」らしい。でもどれも嬉しそうな顔をしていた。


「マルコー…また未来の名前が来ちまったのか…?」
「妥当に考えてそうだろい」
「エースさんすっごい若い!格好いいです」
「う、うるせェ!」
「キャー!」


名前に褒められて照れたエースが隠すように名前の頭をグシャグシャにすると、子供のときと変わらない笑顔で逃げ出す。


「どういうことだい…?」


今さっきの名前はなんだったんだ。
眉をしかめるマルコの横を、マグカップを持った一人の隊員が名前に近づく。
エースは名前を後ろから捕まえ、抱きつき、顎を頭に乗せている。
大人になろうがあの二人の関係はあまり変わらねェんだな…。と妙にホッとするマルコ。


「名前、飲み物持ってきたぞー」
「…」
「名前?」


そこで名前の雰囲気が変わった。
自分より大きい男を冷たい目で見上げ、無言で手を頬へと伸ばす。


「ねえ、頭が高いんじゃない?」
「……は?」
「だから、頭が高いって言ってんの」


クスッ。と笑って、エースから離れて男の背後に回り、膝裏を蹴って甲板に膝を付かせる。
飲み物を落としそうになったが、その前に名前が手にとり、膝をついた男の背中に腰を下ろす。
自然の流れで座る名前に、違和感もなにもなかった。
座られた男が文句を言う前に、名前が「ありがとうございます」ととびっきりの笑顔を向けて、頬にキスをすると、何故か文句を言う気力を削がれた。


「女王様かよい…」


しかも根っからの女王気質なせいで、隊員達が文句も言わず、すぐに名前の命令に従っている。
飴と鞭の扱いもうますぎる。


「おい名前!それ俺の隊員だぞ!」
「さすがエースさんの隊員ですね。とても素直で言うことすぐに聞いてくれます。あ、エースさんも飲みますか?」


手渡してくる飲み物を受け取るが、怒りが先だ。
だけど、自分には「そういうこと」をしない名前に、口を開いて何も言うことなく閉じた。


「あ、隊員さん。崩れないで下さいね。崩れたら私が痛いじゃないですか。頑張ったらご褒美もありますよ」


イスになっていた男に優しく話しかけ、履いていたブーツを脱いで細い足を見せつける。


「いい子には特別に舐めさせてあげます。嬉しいでしょう?」


悪意があるのかないのか解らない笑顔に、それを見ていたエースまでゴクリと音を立てて飲みものを胃に運んだ。


「名前!」
「マルコさん?」
「何でこんなことするんだい!」


唯一名前の笑顔に騙されなかったマルコは再び名前を人間イスから立たせた。
名前の行動にマルコは叱咤するが、名前は何に対して怒られているのか全く分からない表情を浮かべる。


「だってマルコさんがそう教えてくれたから…」
「……誰に教えてもらったって?」
「マルコさん」


マルコさんが「男に襲われないよう強くなれ」とか、「男との正しい付き合い方」とかって教えてくれたじゃないですか。
それに隊員さん喜んでますよ?あ、でも今までご褒美なんてあげたことないんですよー。その前にあっちが根をあげちゃいますからね。そういう子にはちゃんとお仕置きするんです。でも皆喜んじゃうから意味ないんですよねー…。どうすればいいんでしょうか?
と質問をする名前にこれだけは解った。この質問と笑顔に悪意がない。ということが。


「マルコ…、お前名前に何教えてんだよ…」
「俺じゃねェよい。名前の足を誰が触らせるかってんだい…」
「そっちじゃねェよバカ。ドSにしてどうすんだって言ってんの!」


マルコの教育方針がどこかで間違い、マルコに似た性格へとなってしまったが、隊長達やオヤジへは今と変わることなく、純粋だった。





マルコ教育バージョン。
次回、イゾウ教育バージョンに続く!

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