妹育成ゲーム!その1
!注意!
パラレル注意です。
10年後の名前と現在の名前が入れ替わりました。
原作無視してます、すみません。
10年後でも白ひげ海賊団は誰も死なず、ほのぼの平和に過ごしてる設定です。
それはある日の出来事だった。
「あ、サッチは名前ちゃんに近づくなよ。ろくな教育しねェんだから」
「イゾウさんはどうしてそんなに冷たいの!?」
「普段の行いのせいだろい。名前、あっちで菓子でも食うかい?」
「はいっ」
「名前、俺の分も残しとけよー」
「エースさんのも頂きます!」
「テメェ!」
軽快に笑いながら食堂へと向かう名前を、エースが追いかける。
その後ろからマルコ、イゾウがついて行くが、いい年をしたおっさん一人がそれを阻む。
元々弄られキャラなサッチだが、名前が絡むと二人のサッチへの態度が凄く冷たい。
さすがに悲しいが、最近ではそれを通り越して反抗するようになった。
だから余計冷たくなるのに、サッチは気がついていない。
「名前とちょっと喋ったぐらいで変な道に走るかよ!」
「名前ちゃんは純粋なんだ。だから穢れまくったお前が近づくな」
「手ェ洗ってから名前に触れよい」
「どんだけ菌扱い!?いいか、俺が名前を育てることになったらそりゃあいい女になるぞ!男を誘惑するほど魅力的な女になって、でもただ一人の男しか愛さないレディにな!」
ドーン!と胸を張るサッチに、イゾウとマルコは鼻で笑う。
「俺が名前ちゃんを育てることになったら、今の純粋さを残しつつ、笑顔が綺麗な子になるだろうな」
「元の素質がいいからな。俺が育てることになったら、知識豊富な女になるだろうよい。あと素直なままだな」
「いや、お前らはダメだ!過保護の振りして煩悩だらけだからな!だから名前の教育は俺に任せろ!」
「あのよー、どうでもいいけど早く行かねェと名前が菓子全部食っちまうぞ」
「名前ちゃん、全部食べたら夕飯食べれなくなるからダメだよ!」
「名前ッ、菓子は一日一つまでって約束したろい!」
一度名前と一緒に食堂に向かったエースが呆れた顔をして戻ってきて、食堂を指さす。
保護者のマルコとイゾウは急いで食堂へ向かい、お菓子にがっついていた名前を優しい口調で止めていた。
「エース!お前もマルコやイゾウが名前を育てるより、俺が育てるほうがいいと思うよな!?」
「えー…それはねェよ。だってお前下ネタばっかじゃん。どっちかっつーと俺のほうがうまいと思うぜ」
ほら、俺弟想いだし?
爽やかに笑うエースを見て、何も言い返せないサッチは口を尖らせ、諦めるように食堂へと向かった。
そしてその翌日、白ひげ海賊団で大事件が起きた。
白いシャツに身を包み、そこからスラリと伸びる足。胸もそれなりに大きく、その谷間に長い髪の毛が乗って妙な色気が漂う。
そんな少し艶やかさを含んだ女性が甲板に一人立っていた。
最初に気がついたのは寝ずの番をしていたマルコ。
夜はちゃんと寝ずに海を警戒していた。だから誰もこの船に乗せていない。それなのにどこから入った?
見張り台から呆然と見降ろしていたマルコだったが、考えていても解らないので腕だけ鳥になって女性の背後へと降り立つ。
少しの警戒心を持ちつつ、「おい」と話かけると長い髪の毛を揺らして振り返った。
「あ、マルコさんだ!」
顔を見るとすぐに誰か解った。溺愛して止まない我らの末っ子、名前だ。
女性、名前もマルコを見て顔を綻ばせ、マルコに近づいて腕をギュッと絡める。
何で名前がいきなり大きくなったのか。何で腕を絡めてくるのか。そのせいで胸が腕に当たってるとか。色々な疑問が一瞬浮かんで、すぐに疑問と腕を振り捨てた。
「どうなってんだい…?」
「マルコさんわかーい。でも反応一緒!」
アハッ!と笑う名前に、マルコはどう反応していいか全く解らない。
チラリと名前の頭の上から足の爪先まで目を通し、「ああ、いい女になったな」と一瞬でそう感じた。
身長も伸びた。それでもやっぱりここでは一番小さい。
髪の毛も伸びた。やっぱり女は長いほうがいい。名前によく似合う。
胸も大きくなった。今さっき腕を払ったのはちょっと早かった。せめてサイズを…じゃなくて。
「ところでマルコさんはどうして若くなってるんですか?」
「は?」
「よー、マルコー。ちゃんと仕事してたかー?」
訳のわからない質問に眉をしかめると、丁度朝ご飯の準備をするために起きたサッチがやってきた。
欠伸をして、マルコとその隣にいた女性を交互に見て、フッと口元を緩める。
「素敵なお嬢さんだな。名前は?」
そしてすぐにナンパした。
「こんな恰好でごめんな。君がいると解ってたらちゃんと決めてきたんだが…」
「おいサッチ…」
「サッチさんも若くなってる。でもやっぱり変わりませんね」
「……あれ?なんか見たことあるような…。マルコの知り合いか?」
「私は名前ですよ」
「は?」
マルコと同じ反応をするサッチに、マルコは頭を抑えて溜息をはいた。
まだ朝早い。他の隊員が起きてくるのに時間がある。それまでにこの疑問を解決しよう。
そう思って名前とサッチと一緒にその場に座り、深呼吸を一つしたあと名前を見る。
「もう一度確認するよい。お前は名前だよな?」
「はい」
「なんだ、名前かよ!……名前なのに何でこんないい女になってんだ?」
「それは俺も知りてェよい…」
しばらくの間大人になった名前と話していると、一つの仮説が浮かび上がった。
「名前は十年後からきた。っつーことでいいんじゃね?」
「そうですね。なんか考えるのも疲れてきました」
「まあ…一番しっくりくる答えだよな…」
名前は自分達が若くなった。と言う。
だから名前は自分達の未来から来た。と無理やり結論を出した。いや、それしか答えが出てこない。
もっと詳しく言うなら、子供の名前が見当たらないことから未来の名前と今の名前が入れ替わったのだろう。
グランドラインだから不思議なことがあってもおかしくない。
おかしくないが、名前は恰好が刺激的すぎてマルコはろくに目を合わせることもできない。
反対にサッチは名前を凝視し、朝から楽しそうに笑い続けている。
「名前、やっぱお前いい女になるんだな!」
「…。サッチさんは私のことをいつも褒めてくれますよね」
少し目を細めて口元に笑みを作る名前。
そのまま四つん這いになってゆっくり、そして少しだけエロっぽくサッチに近づくと、サッチは「お?おおっ!?」と嬉しそうな声をあげた。
それを目の前で見ていたマルコは軽くショックを受けている。
名前が名前じゃなくなった。と…。
「褒めたって何もでませんよ?」
「いや、マジでいい女になったって!ちょ、そういうポーズとか仕草とかどこで習ったんだよ!」
「サッチさんが喜ぶかと思って勉強しました」
チラリと見える胸の谷間に目が離せないサッチ。
わざと名前が見せている、寄せているのもあるが、それにまんまと引っ掛かるサッチ。
「そうか!じゃあもっと喜ぶことしてくれよ!」
「えー、口で言ってくれないと私解りません。…教えてくれますか?」
「そりゃあもう喜んで!」
「じゃあ、お部屋…行きます?」
サッチの頬に手を添え、耳に息を吹きかけて囁くとあっという間に理性をなくしたサッチが名前をその場に押し倒した。
はずだったが、過保護のマルコがいるためできることなく、一人で甲板に倒れ込む。
「なにすんだよ!」
「バカかテメェは!名前も何言ってんだい!お前…、そんな子じゃなかったろい…!?」
サッチにはありったけの殺意を向け、名前には悲壮感漂う感じで力弱く両肩に手を置く。
何がどうあって、こんな風に育ってしまったんだ!教育を間違えたつもりはない。それとも隠れてサッチが教えたんだろうか。そうだとしたらサッチを早めに処分しなければ…!
サッチを見据え、指をパキパキと鳴らすとサッチはすぐに何されるか気がついて弁解を始める。
勿論聞く耳なんて持ってないマルコは理由関係なく処分しようとしたとき、胸に何か柔らかいものが当たった。
何かと思えば名前が自分に抱きついているではないか。いや、いつも抱きついてくるが、やはり大人になってからでは感触が違う。
殺意が抜け、今度はどうしていいか解らず脳内パニックを起こしていると、グイッと首に腕を回してきた。
「名前!?」
「ちょ、羨ましい!マルコ、代わって!」
「黙ってろい!」
「マルコさん、私はこんな子ですよ。ダメですか?」
抱きついたまま耳元で喋る名前の声はとても甘く、背筋に感じたことのない刺激が走った。
拒絶したいのに、手が動かずその状態をキープしている。
「だ、ダメじゃねェが…。名前がそういうことするとは思ってなかったし、あれだけ無知だったじゃねェかよい」
「今もまだ解らないことばかりです。だからマルコさん、そういうことを色々教えてほしいです。それともダメな私にお仕置き、ですか…?」
「ッそういうのは止めろい!」
「ご、ごめんなさい…!」
マルコが少し強い口調で叱ると、名前が怯えたようにマルコから離れた。
眉をしかめて泣きそうな顔でマルコを見上げる名前が、子供の名前と重なり、罪悪感に襲われる。
拒絶したが、すぐに近づいて頭を撫でてあげると俯いてまたマルコの胸に抱きつく。
肩を上下に揺らしながら震える名前を見てサッチを見ると、「代われ!」とまだしつこく目で訴えていたので、覇気で黙らせる。
「名前、もう怒ってねェよい。だから泣くな」
「泣いてないもん…」
「泣いてるだろい」
「……。もう怒ってないですか?」
「怒ってねェ」
「そうですか!」
パッ!と顔をあげると、目には全く涙が溢れていなかった。
「嘘泣きか!」とマルコが怒鳴る前に、頬にキスをしてマルコを黙らせる。
マルコもサッチも唖然とする中、名前だけが楽しそうに笑い続け、再びマルコの首に腕を回して抱きつく。
「サッチさんを誘惑したから嫉妬したんですか?じゃあマルコさんがじっくり時間をかけて教えて下さいね?」
耳元で囁き離れてマルコの表情を見るも、変わることなく固まっていた。
「こ、こりゃあとんだ小悪魔になっちまったな…」
あまりの変貌にサッチ自身もさすがに驚きを隠せず、その場から動けないでいた。
動けない二人に飽きた名前は、新たな獲物を探すように食堂へとそのままの服装で向かったのだった。
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サッチによる教育バージョン。
次回、マルコ教育バージョンに続く!
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