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同人BL小説

今、暗がりの部屋。何度も二人で過ごした場所。思い出の中では、その人はやわらかく微笑み、いたわるような視線を向けていた。

目の前には、碧色の瞳が責めるように、そして静かにルルーシュを見据えていた。
物音を立ててはいけないような張り詰めた空気だった。

「ルルーシュ、やっぱり記憶が戻っていたんだね」

「スザク…何を言ってるんだ?」
意味が分からない、と返すがその瞳は変わらずルルーシュを見つめている。
「知らないふりなんて、通じない。……カレンが喋ってくれたからね。このリフレインで」
すっとリフレイン入りの注射を差し出す。
「リフレイン…?」
信じられなかった。まさか、スザクがそんなことをするはずがない。薬を射ってまで、尋問するような、そんなことは。しかし、実際に出てきた現物に動揺が隠せなかった。
「あぁ…ルルーシュは、分かってるよね。これの効果は。」
「射ったのか、カレンに…」
恐る恐る問い掛けると、ふっと柔らかな笑みを浮かべる。
「そうだよ。全部喋ってくれたんだ。ルルーシュ、ゼロ……君のことを全部ね。…そうだ、君にもこれを射ってあげるよ」
恐ろしかった。良いことを思いついた、とでも言いそうにルルーシュを見つめるその瞳が。
カツンと靴音が響く。
「つ…やめろ!!」
思わず後退り、逃れようとドアにむかった。
……逃げなければいけない。スザクの目は本気だった。本気で、俺に打つ気なのだ。
「逃げられないだろ?君の体力じゃ、捕まるのは目に見えてる。ほら…こうやって、すぐにね」
グイッとルルーシュの細い腕を捕まれ、凄い力で引き寄せられる。
「……ぃっ、ぁあ…っ…や、め……スザ、ク…」
薬がゆっくりと注入されてゆく。透明なガラス越しに少しずつ減っていく液体。その様を見ながら、嬉しそうなスザクを目の当たりにして絶望へと変わっていく。


「ルルーシュはどんな過去を見ているのかな。ナナリーとの幸せな日常?友達としての僕?……それとも、俺と愛し合った日々?」
ぐったりとしたルルーシュを支えながら耳元で囁く。
「……」
「……愛してあげるよルルーシュ。薬漬けの君でもね」
20080725 END

●スザク君の最低な変態プレイです。殺伐としてるスザルルは意外に好きだったりします。ルルーシュはMでスザクは確実にSだと思います。
RANKスザルル友の会

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あきゅろす。
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