歌って
「風紀委員全員集合」
こんなお呼びがかかるのは珍しい。それというのも、雲雀という風紀委員長様が人間嫌い…もとい「群れる人間」嫌いだからである。
滅多に無い召集に雲雀を慕って下につく草壁達は大変だ、と慌てて皆を集合させた。
一体、どんな無理難題が提示されるというのか。
「校歌」
「……は、はぁ…」
「歌って」
いきなりの命令に一瞬口をあけてぽかんとしてしまう。そんな風紀委員の猛者達が視界に入っていない雲雀は、胸ポケットから携帯を出すと録音機能を立ち上げた。
「はい、今」
「…………」
携帯のマイクをこちらに向けて、今歌えという雲雀。
いや、今、とか言われてもいきなり歌えるわけが無い。
風紀委員達はそのでかい図体を見合わせて、どうするべきかを決めかねているようだ。
そんな風紀委員達にムッとした様子の雲雀。
「うああ、い、今歌います！」
「早くして」
緑たなびくー並盛のー
大なく小なくー並がいいー
こうして雲雀の着信音が出来上がったのだった。
※あ、やべ。ツナが出てねぇ。
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