諦めました どう諦めた


「もうあんな女諦めるんだぜ!」

 勢い込んで言った韓国の言葉に日本と中国はちょっと呆れたように呟いた。

「……やっとですか」
「でもこの間もそう言ってたある」
「今度こそ、今度こそ本当に諦めるんだぜ!」

 きっぱりと言いきって、それから、韓国は小さく呟いた。

「でも最後にもう一回だけ告白してから諦めるんだぜ」

 やれやれ、と中国と日本は肩を竦める。

「韓国、行きますなんだぜー」
「ちょっとそれまさかア〇ロの真似じゃないでしょうね!」

 ヒュンダーイ!と走りだした韓国の背中を見送って、中国は日本の顔を見た。

「どう思うある?」
「どうもこうも――どっちも無理でしょう」
「そーあるね」

 仕方のない奴だ、と二人は笑って、そうして韓国を待つのだった。



(色々あったんだぜ! でもそれはまた次の話なんだぜ!)



「あ、韓国さん!」

 とぼとぼとその広い背中を小さく丸めて歩いていた韓国は、日本の声に顔を上げた。

「どーだたあるか?」

 ぼんやりとしたまま、韓国は中国を見た。そうして、力なく笑う。

「俺諦めたんだぜ」
「え」
「今日こそ最初から最後まで何もかも全て全部すりっとまるっとごりっと諦めたんだぜ」

 言われた二人を激しい動揺が襲った。なんといっても日本がパクりに突っ込まないぐらいである。言葉もなく立ち尽くした二人だが、でも、と続けられてほっと安堵した。やはり、「でも」があるのか。

「でも、その後でまた恋しちまったんだぜ。だから無効なんだぜ」

 ビラブドのやつ罪作りなんだぜー。
 なんてことを溜め息まじりに言うものだから、保護者二人は自分よりも高い所にある肩を黙って抱いてやるのだった。


――諦められぬと諦めた

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間にあった色々は次の話です。
たまにはこんな韓国もいいですよね?
2008/10/15
(2010/01/02モバイル公開)

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