Goog morning!!


「よぅ、ビラブド!」
「あれ、ギル?」

 ビラブドはグラウンドの真ん中で目を瞬かせた。思わず校舎の、燦々と朝日の中で輝いて見づらい時計を確認したが、まだ予鈴まで二十分も余裕がある。
 ギルベルトは遅刻の常習犯である。この時間帯にいるなんて正しく青天の霹靂だ。ビラブドは今日ちゃんとカバンに折り畳み傘を入れておいたかちょっぴり不安になった。

「どうしたんだよ、やけに早いじゃんか」
「いやそれがよ、ローデリヒの野郎がルーイに言い付けたみたいでなんか叩き起こされた」
「アー……」

 風紀委員のローデリヒにしてみたら、従兄弟のギルベルトが遅刻続きで面白くないだろうというのは物凄く簡単に想像できる。ポコポコ怒りながらルートヴィヒに指示をしている姿も。

「ん? そういやそのルーイは?」
「フェリちゃんとロヴちゃん起こしに行ったぜ。……俺もフェリちゃん達の寝顔見たかったのになぁ」
「アアー……」

 そりゃ行かさないだろ。とは言わない。ビラブドはギルベルトを傷つけたくないのだ。

「なんていうか……ルーイも大変だな。まだ15歳なのに」
「見えねーからいいじゃねえか」
「――否定はしないけどなぁ」

 ルートヴィヒはきっといいパパになれるそんなことを思いながらビラブドは心の中で彼を労った。

(頑張れルーイ……お前のそういう頼りがいがあるとこを好きだって言ってくれる女の子はいつかきっと現れるはずだ……)

 ルートヴィヒの好きな女子が誰なのかを知らない、そもそも自分を女子だと思っていないビラブドは本人が聞いたら絶望するに違いないことを思った。

「ま、いいや。なぁギル。化学のプリント全部埋められたか?」
「ハハハハハ当たり前だろビラブド! 俺を誰だと思ってんだ!」
「だよなー、お前頭いいもんな。じゃ教室着いたら答え合わせしようぜ」
「俺に間違いがあるわけねーだろバーカ」

 朝の日差しの中、少年少女(?)たちの笑い声は高らかに響いていた。

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ギルギル頭イイの大推奨。
ウチのサイトのドイツも大概報われない。
2008/10/28
(2010/01/02モバイル公開)

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