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AST(00中編)
あいじょうひょうげん
子供は直ぐに変なことを覚えたり、大人の真似をしたりする。





「……………」
今日はニールがなんだか変だ。
気付けばいつもじーっとアレルヤを見ている。
「ん?なに?」
お腹が空いているのかな、なんて思いながらアレルヤが聞くとニールはアレルヤの服の裾を引っ張った。
「抱っこしてほしいんじゃねぇの?」
雑誌から目を離さずにハレルヤが言う。
「そうかな?」
アレルヤは笑いながらニールを抱き上げた。
ニールは嬉しそうにニコニコする。


「お前が甘やかすからだ……ぞ」
「!?」

次の瞬間、二人はギシリと固まった。

ちゅ、と音がしてニールがアレルヤの頬にキスをしたのだ。
アレルヤはあんぐりと口を開けて呆然とし、ハレルヤも読んでいた雑誌を落とした。
頬とはいえ、ニールが『キス』をしたことは今まで一度もない。
「………アレルヤ、お前まさか」
「ち、ちちち違っ!」
「?」
冷たい弟の視線にアレルヤは焦った。
キスなんて教えた覚えはまったくもってない。
「ハ、ハレルヤじゃないのっ?」
「はあ?」
ガキの前でしたりしねぇよ、とハレルヤは言った。

「「ということは」」



(ライルか………)



アレルヤとハレルヤは、不思議そうな顔をしているニールを見て溜息を吐いた。
アレルヤはそっとニールを降ろすと自分は座り込む。
「ニール」
「?」
「今の、えっと、キスは……何処で」
「ライルか?」
ニールはコクコクと頷いてから………ハレルヤを指差した。


「…………………………あ?」



それからキョロキョロすると、ハレルヤが作ったクマのぬいぐるみと猫のぬいぐるみを持ってきてキスさせた。
一気に部屋の温度が下がる。

「え…………っと、ライルがハレルヤにキス」
「言うなっ!」
アレルヤの言葉をハレルヤが遮る。



「………俺、帰るわ」
「ハ、ハレルヤ?」


フラフラと出て行くハレルヤを、ニールはオロオロと見ていた。



「ライルがハレルヤにねぇ……」
「?」



アレルヤは苦笑すると、ニールの頭を良い子良い子と撫でた。




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補足★
アレハレは普段は別々に暮らしてます
ぬいぐるみはハレが『ちょちょっ』と作りました(笑)
アレは不器用、ハレは器用設定です





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