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AST(00中編)
サンドウィッチ
「………」



ニールはテーブルに零れたサンドウィッチの具を見てうるうると涙を浮かべた。
「あー難しかった?」
「………っ」
具沢山のサンドウィッチを食べるのには大人でも少しコツがいる。
ニールが『零さないように』と気をつけながらまぐまぐ食べていたのを見ていたので、アレルヤは少し可哀相になりながら零れ落ちたチーズとレタスを挟み直してあげる。
「おい」
「…………」
ソファーでイタリア語のレシピ集を読んでいたハレルヤがニールに言う。
「零してもいいから最後まで自分で食べろ」
ニールはコクリと頷いた。
「零してもいいからたくさん食べるんだよ」
アレルヤが言うとニールはまた頷く。
ただ甘やかすだけではなく、ちゃんと躾はしようとアレルヤは決めた。
それがニールのためになるのだと信じて。
「アレルヤ、お前も零してる……」
「あ」
呆れた顔をしたハレルヤに、アレルヤは誤魔化す様に笑った。




***



(ちゃんと食べられたなあ)


結局、ニールは最後まで一人で食べきった。
いつもは誰かが一口サイズに切り分けて口まで運ばないと、手掴みで食べてしまっていたのだ。
(まあ、サンドウィッチも手掴みで食べるからかもしれないけど)
それでも進歩だ。
アレルヤはほっとしてニールを見ると、ニールはベタベタになった手を一生懸命に拭いていた。
「ここにも付いてるぞ」
ハレルヤが口元もグイグイと拭くと、くすぐったいのかニールは嫌がりながらも笑った。

「はい、キャラメルチーズケーキだよ」
「!」
食後のデザートのケーキを持ってくると、ニールは頬を赤く染めてそわそわし始める。
「食べても良いよ」
「!」
ニールはほわ〜っと笑うとバクバクと食べ出した。
綺麗なマーブル模様のケーキはどんどんと無くなっていく。
「………太るぞ、絶対」
「……はは」
しかし小リスのように頬を膨らませて食べているニールは可愛い。
ついつい甘やかしてしまう。
「可愛いなあ」
「………親バカ」
「なんとでも」




ハレルヤだって甘やかしてるくせに、とアレルヤは笑った。





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食べ物ばっか出てくるなあ;
すいません(汗)



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